ノート活用し伝え合う
友達と比べて「ちょっと違う」「なるほどね」
5月9日。3年2組、算数の時間。23人の机がコの字形に並ぶ。8×□=56。□の中に入る数の求め方を考える授業だ。3年生では、掛け算の決まりについて学習していく。
「これ、これ!」
ノートを指さしながら、クラス全体に伝えようとする子がいる。子どもたちのノートには自分の考えが図や式で表現されている。
□の中の数字をどうやって求めたのか、ノートを使って、自分の考えを友達に伝え合う。
自分のノートをめくり、考えの根拠となる箇所を探す。つぶやきながら、子どもたちはノートを見せ合う。
そして、友達の考えと、自分の考えとを比べる。
「似ているけど、ちょっと違う」「私は反対に考えたんだけど」
「でもさ、○○ちゃん、反対に考えるってどういうこと?」 「掛ける数と掛けられる数を入れ替えて…」
「掛け算のページってどこだっけ?」
「ここだよ」
「この方が僕は考えやすい」
「なるほどね。なるほどね」
子どもたちは、ノートをお互いに見せ合いながら、生き生きと考えを伝えていく。
「僕は、8の段を考えて、56は大きな数だから8×9、8×8、8×7…と考えた」
「早いからそう考えたの?」 「早さではなく、僕はこの方が考えやすいからだよ」
「なるほど…」
先生も、子どもたちの様子を見ながら、さりげなく声を掛ける。
「なるほど」「そうなんだ」「〇〇さんの得意な方法だね」「大丈夫。間違えてもいいよ」
一人一人を認め、子どもたちの考えを認め、伝えたい気持ちを引き出す。
子どもたちは、温かい雰囲気の中、多様な考えを受け入れながら、考えを深めていく。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/