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教室に行こう 秦野市立北小学校(秦野市)

教育 | 神奈川新聞 | 2017年7月3日(月) 12:09

目で、耳で「いのち」を感じる
目で、耳で「いのち」を感じる

 6月20日、6年4組の理科の授業。担当の先生は、以前、中学校で理科を教えていた。2年前から小中一貫教育の一環として小学校で指導している。

 教卓には、メダカが入った水槽と聴診器が置かれている。児童が使う各実験台の脇には顕微鏡が1台用意されている。児童が着席し、授業が始まった。導入は学級担任の役割だ。

 「心臓は何をしている臓器ですか?」と問い掛けると、「血液を送っている」とすぐに答えが返ってきた。「心臓の動きを拍動といいます」「聞きたい!」

 児童たちは、準備された聴診器を自分の胸に当て、本物の心臓の音に耳を澄ませる。「聞こえる! 動いているよ!」

 ここからは理科の先生の出番だ。「1分間に何回心臓が動くか数えてみましょう。聴診器がない人は、脈拍と言って、手首の血管の動きを数えます。では、はじめ!」。教室が静まり返り、児童たちは自分の血液の流れに集中していく。
「拍動と脈拍何回だった?」「同じ回数だ!」「本当に同じか調べてみましょう。自分の拍動と脈拍を同時に調べます。リズムを感じてください」

 聴診器から聞こえてくる音と指先の小さな動きに集中する。しばらくすると「やっぱり、同じだ」「面白い」「シンクロしているぞ」と、驚きの声が上がる。

 「次に、血液の流れを見てみましょう」と指示を出すと、「そんなの見えないよ」と子どもたちが戸惑う。「自分のではありません。5年生から借りてきたメダカで観察します」

 説明を受けると顕微鏡を取り出し、観察の準備を整える。ここからは時間との勝負。チャック式ポリ袋に入れて固定したメダカは数分で弱ってしまう。中学校の授業で行う観察だ。メダカの尾びれの血液の流れに顕微鏡のピントを合わせていく。「急がないと死んじゃうよ」と緊迫した雰囲気の中で観察が進んだ。

 子どもたちは耳で、指で、そして目で「いのち」を感じた。


聴診器に耳を澄ませて
聴診器に耳を澄ませて

さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート

神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/

 
 

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