「体積は?」「なんだこりゃ」「求められるよ」
教室に行こう 藤沢市立俣野小学校(藤沢市西俣野)
教育 | 神奈川新聞 | 2017年6月26日(月) 11:09
6月7日、6年1組の教室。
「前回の授業の復習をしましょう。今までどんな立体の体積を求めてきたかな?」
先生の問い掛けに「四角柱」「三角柱」「円柱」と、子どもたちが学習したことに自信をもって答えていく。そうしてだんだんと算数の授業に入り込んでいく。「どんな公式を使って体積を求めたかな?」「底面積×高さ!」。元気に答える。
「じゃあ、こんな立体でも同じように、体積は求められるのかな」と先生は、布が掛けられた立体を教室の隅から子どもたちの前に持ってきた。教室がざわめく。「どんな立体かな」。予想の言葉が飛び交う。
先生が布を取ると、子どもたちからは「なんだこりゃ」「階段みたい」「求められるよ」という声が上がった。
「どうやったら求められるかな。ひらめいたことを教えて」と、先生が問い掛ける。
「階段を二つの直方体に分けて合わせればいいんだよ」「そうそう」「一つの大きな直方体の体積から、へこんでいる部分の体積を引けばいいんじゃない」「ああ、そのやり方ね」
子どもたちのやりとりが進む。ある子が「その立体を二つ用意して、合わせて一つの大きな立体の体積を求めて、2で割る」と言うと、「え、どういうこと?」と、疑問の声が上がる。発言した子どもが前に出て、立体を動かしながら説明を始める。「ああ、そういうことね」「あれ、でもできない。すき間ができちゃうよ」。その言葉を聞いていた子が答える。「合わせる部分の辺の長さが同じだったらできたね」
子どもたち一人一人のひらめきが集まり、課題の解決へと向かう。解き方が分からず悩んでいた子も、友だちのひらめきからヒントを得たようで、表情が柔らかくなった。
「じゃあ、友だちのひらめきを参考にしながら、自分で体積が求められるかな。やってみよう」。先生の言葉で、子どもたちは一斉に自分のホワイトボードにそれぞれの考えを書き始めた。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/