町の「すてき」に愛着
見つけた「すごい、びっくり、いいな」
「小坪のすてきを見つけよう!」。黒板に、この日の生活科のテーマが、大きく書かれている。
「トラフグを見つけたよ」「ぼくは、タコノマクラを拾った!」。前の週に小坪漁港に行って、みんなで調べた「すごい、びっくり、いいな」を話題に交流する。「『イカのふね』は、イカの体の中にある、骨みたいなものなんだよ」「カメノテも採れたね」「本当に亀の手みたいな形だね」
子どもたちから、次々に海の生き物の名前が飛び出す。「生き物について、たくさんの『すごい、びっくり、いいな』が出てきたね」と先生。すると一人の子が「人しか通れないトンネルがあってね、そこに入ると、海から吹いてくる風が、気持ちいいんだよ」とつぶやいた。
「そうか。『小坪のすてき』は、生きものだけじゃないんだね」
先生のこの言葉に、子どもたちの動きが一瞬止まる。一人一人が、自分の頭の中にある新たな「小坪のすてき」に思いを巡らす。
「すてきな場所は、もっといっぱいあるよ」。新たなイメージが、子どもたちの中に広がった。
そこから、新たな「小坪のすてき」について、さらに話し合う子どもたち。
「マリーナ公園からは、海と富士山がはっきり見えるんだよ」「飯島トンネルの奥の海は、めちゃくちゃきれいなんだ」。 「小坪小学校校区マップ黒板」を囲んで、地図を指さしながら、確認し合った。
自分たちが暮らす町の「すてき」を、みんなで見つけた子どもたち。当たり前の風景が、かけがえのないものであることに気付く。この「まちたんけん」を通して、地域への親しみや愛着を深めていく。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート 神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。 http://www.pref.kanagawa.jp/docs/v3p/seitosidou/hanii.html
逗子市立小坪小学校(逗子市小坪)
「小坪のすてき」をテーマにした授業 [写真番号:686784]
「校区マップ」を指しながら確認し合った [写真番号:686783]