書き初めで思い表現
1年の夢や目標を定め、真っすぐに
冬休みが終わり、県立鶴見養護学校には児童や生徒の元気な声が戻ってきた。
1月の初め、中学部の教室では、毎年恒例の書き初めが行われていた。生徒たちは、書を通じて、今年1年間の夢や目標を表現する。教室では、「春の海」の琴の音が流れ、新春の雰囲気を感じさせる。
生徒たちは、宿題として冬休みの間に書き初めのテーマを考えた。ある生徒は、家族と一緒に考えて、「大きな子」と決めた。用紙に向かうと真剣な表情に変わった。集中力を高めて一気に太く、真っすぐな線を縦に横にと思いのままに書いた。先生に「もう少し書く?」と聞かれると、真剣な表情のままジェスチャーで書き終えたことを伝えた。
作品が完成すると、表情も緩み快活な笑顔と満足そうな表情を見せた。書き初め用紙には、力強く書かれたいくつもの線で「大きな子」が表現されていた。
一方、用紙を前に、何を書くかを思案している生徒がいた。いつも寡黙に、こつこつと取り組む生徒だ。30分悩み続け、考え抜いた言葉は「じゅけんをがんばる」。4月には3年生に進級、進路に向けた学習が本格的に始まる。自分の将来の姿を想像し、今の気持ちを文字に込めた彼。彼の心の中の決意の一端を担任は感じることができた。
生徒たちは、書き初めの授業を通して、夢や目標を定め、自分の思いを真っすぐに表現することを学んだ。連絡帳に「書き初めは好きなので、自分らしく書いてくれるとうれしいです」と書いた保護者もいた。
今年も生徒の作品が教室前の壁に並んでいる。一人一人の夢や目標が作品に表現されている。思いが伝わり受け止められることが子どもたちの生きる力につながっていく。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート 神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。 http://www.pref.kanagawa.jp/docs/v3p/seitosidou/hanii.html
県立鶴見養護学校(横浜市鶴見区)
気持ちを筆にのせた書き初め作品 [写真番号:562725]
集中して気持ちを込める [写真番号:562726]