熱帯びる英語で討論
聴く力、話す力を高める学び合い実践
「スマホには、黒板を写真で撮るなどの機能がある」「普段の学校生活には必要ない」「GPS(衛星利用測位システム)などの機能は、安全を守ることにつながる」「ゲームができるから、勉強に集中できなくなくなるかも」
全て英語での発言だ。これは鎌倉市立大船中学校、3年生の英語の授業の一幕。
この日の活動はディスカッション。テーマは「学校へスマホを持ち込むことに、賛成か反対か(bringing our smart phone or not)」。自分の考えで賛成派と反対派に分かれ、互いに思いのこもった意見を交わす。途中から、外国語指導助手(ALT)も賛成派に加わり、さらに生徒たちのやりとりは熱を帯びる。
「先生は紙で課題を出す必要がなくなる」「使いこなせない先生がいるかもしれない」「スマホで世界中の学校ともやりとりができる」「スマホを持っていない生徒もいる」など、さまざまな角度からの意見が飛び出す。
後半は、相手の意見への反論や回答も交わされる。「『壊れたら勉強できない』って、どう言ったらいいかな?」「う~ん」。近くにいる友達と顔を見合わせ考える。それでも言葉が見つからないときには、先生の電子辞書で単語を探す。ようやくぴったりくる言葉が見つかると、マスクの中から笑みがこぼれる。
自分の考えを英語で伝えるために、何とか言葉を探し出そうとする生徒の姿は、主体的な学びそのものだ。
大船中では「聴く力・話す力を高め、学び合う生徒の育成」をテーマに、日々の授業を実践している。英語の授業で見られた生徒たちの姿は、大船中の全ての教科の先生たちが大切にしていることの結晶なのだ。
意見を聞き、考えが深まること。意見を伝え、反応が返ってくること。これらの楽しさを味わった、生徒たちの学びに向かう力は、今後もさらに伸び続けていくことだろう。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート 神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。 http://www.pref.kanagawa.jp/docs/v3p/seitosidou/hanii.html
鎌倉市立大船中学校(鎌倉市大船)
ディスカッションで多数を占めた「スマホ反対派」 [写真番号:496616]
賛成派にALTも加わり、やりとりは熱を帯びる [写真番号:496617]