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【K-person】市原隼人さん
給食愛する教師 役作りに苦労

K-Person | 神奈川新聞 | 2020年2月16日(日) 10:30

市原隼人さん


市原隼人さん
市原隼人さん

 普段は気難しい表情で口数少ないが、給食の時間になると眼鏡を外し、全力で給食に向き合う。心の内を吐露するナレーションも熱い。そんな給食愛にあふれる中学教師・甘利田幸男を、ドラマ版に続いて映画「おいしい給食 Final Battle」で熱演した。

 「こんなに振り幅の大きい役は初めてで、役作りには悩みました。撮影前日まで監督と電話しながら、着地点を探しました。給食にこだわる滑稽な姿は近くで見ると悲劇、俯瞰(ふかん)で見ると喜劇。本当に難しかったです」

 1984年の設定で、クジラの竜田揚げやミルメーク、ソフト麺といった郷愁を感じさせる献立も登場する。甘利田はそれらをおいしく味わうことに命を懸けており、同じ給食マニアの生徒・神野ゴウと争ってもいる。


「劇場版 おいしい給食」
「劇場版 おいしい給食」

 「いかにおいしそうに食べている姿を見せるか」に専念したせいか、普段の食事量が減り、自然に痩せていたという。

 川崎で過ごした子ども時代、自身も給食が大好きだった。「特に八宝菜。ウズラの卵が好きで、自分が給食当番のときは多めに盛ったりして」とほほ笑む。

 小学5年でスカウトされて芸能界に入った。14歳で映画デビュー。「頑張りどころも分からないまま」撮影現場で過ごしたが、「現場が楽しくて、その延長線上に作品がある感じ」だったという。

 今回、生徒役の若い俳優たちと過ごし「難しい作品でしたけど、30代最初の青春を味わえた」と振り返る。「いろんな気持ちを演技でぶつけたら、しっかり返ってきた」というゴウ役の佐藤大志さんには、デビュー時の自分を思い出して、親心のような思いも抱いたという。

 役者の魅力を「追い掛けたら逃げていく。本当にずっと難しいと思っている。でも気が付くと寄り添いたくなる」と語る。「役に感情を込める中で、自分からどんな感情が出てくるのか」と恐怖を感じる瞬間もあるという。それでも「極限まで追い詰められる、生々しい感情の役に挑戦してみたい」とも思っている。

 「作品をご覧になった方から、人生観が変わった、前へ進む一歩になった、といった感想をいただくと涙が止まらなくなります」とやりがいを語った。

いちはら・はやと
 俳優。1987年生まれ、川崎市出身。2001年、映画「リリイ・シュシュのすべて」で主演デビュー。04年「偶然にも最悪な少年」で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。主な出演作はドラマ「ウォーターボーイズ2」「ROOKIES―ルーキーズ―」「おんな城主 直虎」、映画「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」「無限の住人」「空母いぶき」「3人の信長」「喝風太郎!!」など多数。20年は3月に舞台「脳内ポイズンベリー」、ドラマ「伴走者」、5月公開の映画「太陽は動かない」が控える。近年は映像監督、写真家としても活躍中。主演映画「劇場版 おいしい給食 Final Battle」は3月6日からイオンシネマ港北ニュータウンなどで上映。

記者の一言
 tvkで夜中に放送されていたドラマ「おいしい給食」。半袖の甘利田先生が給食を食べるシーンにくぎ付けになった。なんて美しい腕の筋肉。いやもちろん、市原さんのコミカルな演技や意外に真面目な話の流れにも心引かれた。だが一番の魅力は、ソフト麺や冷凍みかんを最高においしく食べるため、甘利田先生やゴウ君が工夫するけなげな姿だ。ゴウ君の不敵な笑みも楽しい。ちなみに記者の小学校時代にはソフト麺も米飯もなかったというと年がばれそうだが、地域的な違いもあるだろう。「年齢を超えて共通のツールとして楽しめるのが給食。子どもと一緒に見ていると聞くとうれしいです」と市原さん。いろんな人と会話が弾みそうだ。

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