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長野里美さんに聞く 受け継がれてきた「美」に向き合う

K-Person | 神奈川新聞 | 2022年6月6日(月) 10:53

 たたずまいは柔らかいが、演技について語る姿には芝居への情熱がにじむ。大学在学中から演劇ひとすじ。舞台のみならず、映画やドラマでも唯一無二の存在感を発揮する。個性的な役柄も多く、現在出演中のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」でも、きらりと光る姿を見せている。

 2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」では脚本家の三谷幸喜からのラブコールを受け、真田信幸の病弱な正室・こう役をユーモラスに演じて話題となった。「俳優としては幅があるといいなと思っているのですが、ちょっと変わった人物やコメディエンヌ的な役割を期待して役をいただくことも多い。これができるのはあなただけ、と言われると頑張らなくちゃと思うんですよね」と笑う。

 「ちむどんどん」では、主人公の暢子(黒島結菜さん)が暮らす横浜市鶴見区で、沖縄県人会会長を務める平良三郎(片岡鶴太郎さん)の妻・多江を演じる。夫を支えながら、暢子を温かく見守る女性だ。「ヒロインを支える『東京のお母さん』。ずっと『朝ドラ』に出たかったので、とてもうれしく思っています」と目を輝かせる。「多江は芯のしっかりした女性。三郎さんや、沖縄から本土にやってきた人たちに寄り添い、サポートしていこうという覚悟を感じます」。共演する2人は「黒島さんは素直でかわいいし、鶴太郎さんはとても紳士的」という。

 沖縄2世の役を演じるため、実際に鶴見の県人会メンバーに話を聞きに行ったほか、沖縄出身の黒島さんに当地の風習を教わることもある。「このドラマに出演することになり、改めて沖縄の歴史や文化を勉強し直しています。日本復帰直後は、沖縄から本土に出稼ぎに来た人たちは大変な思いもしたと思いますが、だからこそ県人会の絆は強かったのではないでしょうか」

 ドラマの中では沖縄絣(がすり)の着物を身に着けていることも印象的だ。「沖縄文化への誇りと愛情を感じさせますよね」と多江の心情に思いをはせる。

 着物姿での所作の美しさは日本舞踊で培われたもの。約10年こつこつと鍛錬を重ね、昨年6月に尾上流の名取となった。「歌舞伎の見得(みえ)を切るポーズなどを見ると、日本舞踊と共通する美しさを感じるんです」と新たな気付きを語る。

 「江戸時代の役者たちの舞台裏や、人々の暮らしに興味があります。脈々と受け継がれてきた日本文化を表現できるような作品にも挑戦したいですね」と今後の出合いに期待を込めた。

ながの・さとみ
 女優。1961年生まれ、横浜市出身。早稲田大学在学中から劇団「第三舞台」に所属し看板女優として活躍。90年代以降は外部公演やシェークスピア作品にも多数出演。映画「ゼロの焦点」(2009年)、「君の膵臓をたべたい」(17年)などに加え、「義母と娘のブルース」(18年)、「あなたの番です」(19年)、「科捜研の女」(20年)などテレビドラマにも多数出演している。 「長野里美ちゃんねる」では鶴見県人会を訪れた時の様子を公開中。https://www.youtube.com/channel/UCMNYt5hvnQx3CmiSARZWkZQ

記者の一言
 長野さんの公式YouTubeチャンネル「長野里美ちゃんねる」は必見だ。朗読からスタートしたが、現在は俳優や映画監督を招いたトーク動画「スナックさとみ」を定期的に公開。ダンス動画ではNiziU、BTSの振り付けにも挑戦している。「踊ることが大好き。プロから見たらおかしいかもしれないけれど、あまり恥ずかしいと感じないんです」。照れくさそうに話すが、キレのある踊りを披露する姿は最高にかっこいい。幸福感にあふれた表情の秘密がわかった気がした。

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