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佐藤アツヒロさんに聞く 演劇人として充実の時

K-Person | 神奈川新聞 | 2022年2月14日(月) 12:54

「行先不明」3月12~21日、サンシャイン劇場で上演。S席1万円、A席5千円。チケットはチケットホン松竹、電話(0570)000489

 1987年、アイドルグループ・光GENJIのメンバーとして華やかにデビュー。95年にグループが解散してからは、主に演劇の舞台で活躍する。

 3月12日からはサンシャイン劇場(東京)で、主演の舞台「行先(いきさき)不明」が上演される。旅行代理店内での積立金横領トラブルを描いたコメディー作品だ。

 2000年、鴻上尚史の作品「ララバイまたは百年の子守唄~ハッシャ・バイより~」で初めて舞台に立ち、その後は劇団☆新感線の「犬夜叉(いぬやしゃ)」や「髑髏(どくろ)城の七人」などの話題作に数多く出演。「ジャニーズ事務所所属ではあるけれど、僕は小劇場出身の役者だという意識もある。つかこうへいさんや鈴木勝秀さん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん、G2さんなど、素晴らしい方との出会いに恵まれ、鍛えられてきました」と語る表情は演劇人としての充実感に満ちている。

 新作の脚本と演出は藤井清美。タッグを組むのは、リフォーム会社でのパワーハラスメントを題材にした「ブラックorホワイト? あなたの上司、訴えます!」(19年)に続き2回目だ。「職場の“あるある”やトラブルを描いた『お仕事コメディー』の第2弾。藤井さんの脚本は良く練られているので、テンポ感を大切に演じたいです」と力を込める。

 演じるのは旅行代理店の社員で、運の悪い男・佐々雅晴。困難に見舞われてもあきらめず、明るい未来を模索する役だ。社長と前社長をそれぞれ演じる真琴つばさと福田転球とは前回から引き続いての共演。「一度共演している仲間がいると心強い。カンパニーとして力強くスタートできそうです」

 近年は舞台の演出などにも挑戦。2月4日まで浅草九劇(同)で上演されていた作品「告白」では原案・構成・演出を手掛けた。制作側の仕事にチャレンジしたことで「役者は自分の役を全うすることに集中すべきだ」という気付きがあったという。「舞台の隅から隅までを把握し、トータルでより良い作品にしていくことは演出家に任せればいい。作品のアイデアを考えたり、演出を手掛けたりすることには引き続き挑戦してくつもりです」と目を輝かせる。

 小・中学生時代を過ごした藤沢市の友人たちが舞台を見に来てくれることも多いという。「地元の同級生たちが今でも支えてくれて、ありがたく思っています。今後も多くの人に夢を与えられる仕事を続けていきたいですね」

さとう・あつひろ
 俳優、歌手。1973年藤沢市出身。87年、光GENJIのメンバーとしてデビュー。「STAR LIGHT」「ガラスの十代」「パラダイス銀河」などがヒットし人気を博す。光GENJI解散後はソロとして活動。01年「室温~夜の音楽~」、06年「蒲田行進曲~城崎非情編~」、09年「静かじゃない大地」などに出演している。18年「SaGa THE STAGE~七英雄の帰還~」では主演を務めると同時に演出に初挑戦した。

記者の一言
 学生時代の思い出を語る楽しそうな表情から、地元愛が伝わってくるのがうれしかった。「マンガの『湘南爆走族』に憧れて、学校を抜け出して友達と七里ケ浜に行ったこともあります。ちょっとやんちゃな中学生でしたね」。光GENJI在籍中、藤沢市民会館で行われた成人式に出席したというエピソードには仰天した。「大変な騒ぎになっちゃいましたけど」といたずらっぽく笑うが、仲間との絆が伝わってきた。意外にも、県内での舞台公演の経験がないという。ぜひ故郷に錦を飾ってほしい。

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