1. ホーム
  2. 連載・企画
  3. 連載
  4. K-Person
  5. 林真理子さんに聞く オペラの魅力を発信

K-Person
林真理子さんに聞く オペラの魅力を発信

K-Person | 神奈川新聞 | 2021年7月25日(日) 14:00

林真理子さん

 オペラの魅力を紹介するトークコンサート「マリコとオペラ!」が9月、大和市文化創造拠点シリウスで行われる。文筆家で文化芸術プロデューサーの浦久俊彦さんをナビゲーターとして、オペラにまつわる楽しいトークを出演する歌手も交えて披露する。

 「オペラは敷居が高いと思っている方も多いでしょうが、生の歌声でアリアを聴くと『歌っていいな』と思えます」

 「わたしのお父さん」(歌劇「ジャンニ・スキッキ」)や「誰も寝てはならぬ」(歌劇「トゥーランドット」)といったよく知られた名曲を、ソプラノの小林沙羅さんとテノールの望月哲也さんが、河野紘子さんのピアノに乗せて歌う。

 「オペラ初心者にもお薦め。特に『ジャンニ・スキッキ』の娘役は沙羅さんのおはこなので、聴きどころですね」

「マリコとオペラ!」チラシ

 オペラの魅力に目覚めたのは、自身が歌うようになってから。作曲家の三枝成彰さんが主宰するチャリティーコンサートで「カルメン」の「ハバネラ」を歌うことになり、声楽を習った。

 「三枝さんは『声がいい』とか、褒めるのが上手なんですよ」と振り返りながら、「自分の体を楽器にするのが楽しいし、気持ちいい」と表情が明るい。

 「若い頃と違い、『カヴァレリア・ルスティカーナ』などの悲しくて美しい曲を聴くと、自然と涙が出るようになりました。年を取ると見方も聴き方も変わる。それもオペラの魅力です」

 国内にとどまらず、パリのオペラ座をはじめ、イタリアのミラノやドイツのバイロイト、オーストリアのザルツブルクといったクラシックの本場にも出掛けて、オペラを楽しんできた。だが、コロナ禍ではオペラ鑑賞を含めて外出の機会が減り、執筆に集中できたという。

 「同一雑誌におけるエッセーの最多掲載回数」としてギネス世界記録となった週刊誌のエッセーをはじめ、常に何本もの連載を抱える。

 今年5月に出版された「小説8050」(新潮社)では社会問題となっている中高年の引きこもりを正面から描いて多くの関心を呼ぶなど、話題作に事欠かない。

 「次はもっといいものが書けるんじゃないか。いつもそう思っています」

はやし・まりこ
 作家。1954年、山梨県生まれ。76年日本大卒。コピーライターを経て、82年エッセー集「ルンルンを買っておうちに帰ろう」が大ベストセラーに。「最終便に間に合えば」「京都まで」で86年直木賞、95年「白蓮れんれん」で柴田錬三郎賞、98年「みんなの秘密」で吉川英治文学賞、2013年「アスクレピオスの愛人」で島清恋愛文学賞、18年に紫綬褒章、20年に菊池寛賞を受賞。雑誌「週刊文春」で1983年から連載中のエッセーが、2020年に「同一雑誌におけるエッセイの最多掲載回数」としてギネス世界記録に認定。
トークコンサート「マリコとオペラ!」は大和市文化創造拠点シリウスで、9月12日午後2時開演。全席指定でS席5千円ほか。問い合わせはやまと芸術文化ホールチケットデスク、電話046(263)3806。

記者の一言
 取材の2日後に、偶然にも同じオペラ公演を鑑賞すると分かり、ワクワク度が上がった。新国立劇場での「カルメン」。かつて林さんもアリア「ハバネラ」を歌唱したという舞台に思いをはせながらの鑑賞となった。時代背景を現代にし、カルメンがロックスターに、カルメンを愛して破滅するホセが警察官に、という面白い設定。鉄パイプを組み合わせて工事現場のような雰囲気を出した舞台芸術には、幕あいに会場であいさつした林さんも「面白いですね」と目を輝かせていた。登場する歌手たちは、「最近のオペラ歌手はスリムできれい」と取材時に話されていた通り。「バブル期には豪華な舞台が多かった」という林さん。オペラに限らないが、芸術にも社会や時代が色濃く反映されていると実感した。

Kパーソンに関するその他のニュース

K-Personに関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

連載に関するその他のニュース

アクセスランキング