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【K-person】原田慶太楼さん
楽団員と心合わせ よみがえれ作曲家の魂

K-Person | 神奈川新聞 | 2021年3月7日(日) 11:00

原田慶太楼さん

原田慶太楼さん

 「音楽を始めたきっかけは、小学校でウエストサイドストーリーのミュージカルを見たこと」。全身を使って、心から楽しそうにオーケストラを指揮する姿を見ていると、その言葉にも納得する。エキサイティングな音楽づくりで、いま最も熱い注目を集める指揮者の1人だ。

 4月から東京交響楽団の正指揮者に就任する。これまで客演として20回近く共演してきた同楽団は「何でもできるけれど自分の色を持っている」オーケストラ。共に音楽を作り上げることに喜びを感じられるという。

 「ノット監督をはじめ、これまでの音楽監督や正指揮者が楽団の魅力を常に磨き、大切にしてきたことが分かる。正指揮者として、楽団が常に挑戦できる環境を作って、一緒に歩む旅路を楽しみたい」と目を輝かせる。

「第689回定期演奏会 ~原田慶太楼 東京交響楽団正指揮者就任記念コンサート」ゲストはバイオリニストの服部百音。サントリーホール、午後6時開演。全席指定、S席7千円など。問い合わせは、TOKYO SYMPHONYチケットセンター、電話044(520)1511

 4月17日の就任記念演奏会ではティケリの「ブルーシェイズ」、バーンスタインの「セレナード」、ショスタコービッチの「交響曲第10番」を披露する。米国、ロシアで研鑽(さん)を重ねてきた自身のキャリアが色濃く反映されたプログラムだ。

 「セレナード」と「交響曲第10番」は1953~54年に作曲・初演されており、それぞれプラトン、スターリンという人物をテーマにしているという共通点もある。「同時代に作られているのに全く違うタイプの曲なのが面白いでしょう」と楽しそうに話す。「作曲家がその曲をいつ、どんな場所で作ったのかを深掘りするのが好き。楽譜以上のインスピレーションを演奏に込めることができます」

 恩師ロリン・マゼールから学んだ大切なことの一つは「作曲家の魂をよみがえらせること」。「楽団員も僕も人間だから演奏を間違えることもある。でも技術的にうまく演奏することではなく、その曲を演奏することで作曲家が喜んでくれたかどうかが大事」と力を込める。

 海外のオーケストラでもポストを持って活動する中で、日本のオーケストラに欠けていると感じるのは既存のファン以外へのアプローチだという。「オーケストラが人気の映画音楽を演奏したり、ポップスターと共演したりしてもいいはず。10代から30代の若者が行きたくなるプログラムが少なすぎる」と指摘する。「東京や神奈川で競い合う多くのプロ・オーケストラが、同じような企画しかしていない。集客と芸術性の高さを両立させるプログラムは可能だし、そういった作戦やマインドを東京交響楽団に持ち込んでいきたいと思っています」

はらだ・けいたろう
 指揮者。1985年東京都生まれ。17歳で渡米、インターロッケン芸術高校音楽科に入学。ロシアでも学びを深め、2006年モスクワ交響楽団を指揮してデビュー。欧米を中心に活動を続け、米国ジョージア州サバンナ・フィルハーモニックの音楽監督兼芸術監督なども務めている。日本国内のオーケストラと共演するほか、オペラ、室内楽、シネマコンサートでも活躍中。

記者の一言
 同楽団のホーム、ミューザ川崎は「音が良く聴こえて演奏しやすい。中央部にエネルギーが集まるのを感じる」と笑顔で語る。幼い頃は横浜の元町にある保育園に通うなど神奈川との縁も深いそうだ。

 同世代の指揮者・山田和樹さん、鈴木優人さんとおしゃべりする「The Three Conductors」やアーティストとのトーク「MUSIC TODAY」などYou Tubeでの配信も積極的に行う原田さん。今後も日本の音楽業界を大いに刺激してくれそうでとても楽しみだ。

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