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【K-person】入江悠さん
横浜舞台のドラマ撮影 街の魅力掘り下げたい

K-Person | 神奈川新聞 | 2021年5月2日(日) 12:20

入江悠さん

入江悠監督

 3歳まで横浜で過ごし、その後は埼玉で育った。「ずっと横浜に住んでいたら、自分の人生はどうだったかな、と想像することがある」と明かす。

 おしゃれな街というイメージが先行し「10代、20代の頃はコンプレックスみたいなものがあった」という。だが、年齢を重ね、映画監督としても経験を積み、「そろそろ横浜を舞台にした作品を作ってもいいかな」と取り組んだのが、現在放送中のドラマ「ネメシス」だ。

 横浜の探偵事務所を舞台に、癖のある人物たちが登場し、事件を巡る謎解きが楽しめるミステリー。市内のあちこちでロケを行いながら撮影している。横浜のシネマ・ジャック&ベティは、既に画面に登場した。見覚えのある街角に目を凝らした人もいるのではないだろうか。

 「子どもの頃、一番好きだった刑事ドラマ『あぶない刑事』へのオマージュとして、刑事には『タカ』と『ユージ』に『カオル』を登場させた」とほほ笑む。

(C)日本テレビ

 優れた洞察力を発揮する探偵助手の美神アンナ(広瀬すず)、かっこつけても抜けている探偵の風真尚希(櫻井翔)、探偵事務所の代表・栗田一秋(江口洋介)を中心に、テンポよく話が進む=写真。1話完結で楽しめるが、アンナの父親の失踪が大きな謎につながっていく。

 「広瀬さんは天才だと思う。生き生きとしていて、撮っていて引き込まれる。櫻井さんはポンコツな探偵という今までのイメージにない役だが、うまくはまっている。2人の掛け合いも良くて、探偵ものをずっとやりたかったのだが、最高のバディで実現したのが、一番の喜び」と主演の2人に信頼を寄せる。

 横浜での撮影を通して、一つの町を掘り下げる面白さを実感したという。

 「歴史ある建物や土地。ミニシアターはもちろん、おいしい中華料理店や喫茶店が見つかることもある。映像にもそうした面白さを出していきたい」

 さらに、家で見られるテレビだからこそ、多くの人に届けたい思いがある。

 「中学生で孤独を感じていた頃、週に1度のあるテレビ番組が、1週間を生きる喜びになっていた経験がある。誰かにとって、このドラマがそういうものになってくれたらいいなと思う」

いりえ・ゆう
 映画監督。1979年横浜市生まれ。埼玉県育ち。2003年、日本大卒。09年、自主制作による「SRサイタマノラッパー」が話題を呼び、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター・コンペティション部門グランプリ、第50回日本映画監督協会新人賞など受賞多数。「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」(11)で高崎映画祭新進監督賞。「日々ロック」(14)、「ジョーカー・ゲーム」(15)、「太陽」(16)、「22年目の告白-私が殺人犯です-」(17)、「AI崩壊」(20)など。
放送中のドラマ「ネメシス」(日本テレビ、毎週日曜午後10時半)で総監督を務める。

記者の一言
 2月のある休日出勤の朝、会社近くで大がかりなロケ現場に遭遇した。「最近、横浜でのロケが多いけど、映画かな、ドラマかな。誰かイケメンがいたのかな」などと思いながら出社した。それが「ネメシス」のロケだったと今回の取材で判明し、妙に親近感を抱いた。入江監督は、作品の設定に関わる資料を読んだり、分からないことを調べたりして、一生触れないような新しいことを知る体験が、監督業の喜びだという。「すごい世界が広がっている」と実感するそうだ。昨年公開された映画「AI崩壊」では、何となく知っていた人工知能(AI)について、最新の知識を学んだという。「記者の仕事も同じではないですか」と問われ、思いもしない人に会い、話を聞くという取材の面白みを改めて感じた。

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