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【K-person】水川あさみさん
情けなくも愛すべき2人? 鬼嫁を熱演「自分の転機に」

K-Person | 神奈川新聞 | 2021年1月24日(日) 11:00

水川あさみさん

水川あさみさん

 「食い意地だけ張りやがって。この雑魚が!」─眉間にしわを寄せた険しい表情で、夫に対してマシンガンのように罵詈(ばり)雑言を浴びせかける〝鬼嫁〟が観客のハートをつかんだ。足立紳監督が自身の夫婦生活を赤裸々に描いた映画「喜劇 愛妻物語」で、妻のチカをチャーミングに表現。だらしない夫・豪太を激しく罵倒しながらも、ふとした瞬間に愛情をにじませる名演技で、第42回ヨコハマ映画祭主演女優賞を獲得した。

 「歴史のある映画祭の、素晴らしい役者さんたちが受賞している賞。よく頑張ったねと言ってもらえたようで、とてもうれしかったです」と輝くような笑顔を見せる。「自分のターニングポイントになる、特別な映画になりました」

 スレンダーで涼しげなたたずまいが印象的だが、夫の代わりに家計を支えるたくましいチカを演じるため、体重を5キロ増やした。しかしそれ以外に足立監督からの特別な指示はなかったという。「監督の思いがすべて詰まっている脚本にただ向き合い、演じました」

「喜劇 愛妻物語」ブルーレイ(特装限定版)5280円、DVD4180円、3月26日発売(バンダイナムコアーツ)(C)2020『喜劇 愛妻物語』製作委員会

 足立監督も同映画祭で脚本賞を受賞したこの作品は「監督から奥さんへのラブレター」だと話す。「腹立たしく思ったかと思えば急にいとおしくなったり、いろんな感情がミルフィーユのように重なっている素晴らしい脚本。チカはずっと怒っているけれど、憎悪だけではなく根っこに愛情があることが醸し出されるようなたたずまいを意識しました」

 夫の豪太を演じた濱田岳さんは「ひょうひょうとしているけど、しっかり役を全うするすごい役者さん」。強い信頼関係の下、情けなくも愛すべき夫婦を演じきった。「岳くんが豪太を演じると聞いて、バンザイ! と思いました。普段は正直、何を考えているか分からないけど、お酒が好きで思いやりのある役者さんですよ」といたずらっぽく笑う。

 2020年は同作だけでなく「グッドバイ」「ミッドナイトスワン」「滑走路」などの話題作にも出演。映画ファンに強い印象を残した。「昨年は、多くの面白い映画作品と深く関わることができたいい1年でした」と振り返る。

 確かな演技力で日本映画界を担う実力派俳優の一人として期待がかかるが「今後も誠実に、一つ一つ作品に向き合うことを続けていきたい」と謙虚に語る。「賞をもらえたからといって演技がうまくなるわけではない。長く映画に携わることができる役者でありたいですね」(太田 有紀)

みずかわ・あさみ
 女優。1983年大阪府出身。97年、映画「劇場版 金田一少年の事件簿 上海魚人伝説」で映画デビュー。「喜劇 愛妻物語」では第45回報知映画賞主演女優賞、第12回TAMA映画賞最優秀女優賞も受賞した。同作品はあつぎのえいがかんkikiで2月5日まで上映中。30日からBSテレ東で放送される「ナイルパーチの女子会」では主演を務める。毎週土曜午後9時放送。

記者の一言
 昨年末に行われたインタビュー。どんな質問にも楽しそうに答えてくれた水川さんに、繁忙期を乗り切るエネルギーをもらった。明るくさっぱりとした雰囲気に、ピンク色のシャツがとても似合っていた。

 神奈川には撮影で訪れるだけでなく、プライベートでもよく足を運ぶという。「七里ケ浜のお気に入りのパン屋さんでパンを買って、ドライブしたりしています。大きなお風呂とサウナが好きで、万葉の湯にもよく通っていました!」との言葉に、勝手に親近感を感じてしまった。

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