各界を彩る神奈川県ゆかりの人物が、自ら半生を振り返る連載「わが人生」。成功に至る道程とそこで培われた人生観とともに、懐かしい生活風景や人生を翻弄した激動の世相も映し出しています。約半世紀にわたり神奈川新聞読者の皆さまに愛され、今なお色あせない「わが人生」企画。バックナンバーの中から厳選し、カナロコで復刻掲載します。第一弾は、藤木グループ会長の藤木幸夫さん。全131回。
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2004年6月30日掲載

山口組は春吉氏が初代で、登氏が二代目だ。登さんは横綱玉錦と付き合いのあった人で、落語・浪曲の世界に首を突っ込み、ヤクザというより今日の吉本興業みたいな会社組織「神戸芸能社」を持っていた。二代目登さんが戦争中に亡くなったとき、三代目となるべき長男の幸博さんは、まだ小学校五年生だった。