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【1964東京五輪】〜アーカイブズで振り返る神奈川〜
村長日記(20) 公民館でツイスト

連載 | 神奈川新聞 | 2020年10月7日(水) 09:00

 1964年の東京五輪。神奈川には相模湖のカヌー選手村と大磯のヨット選手村が設けられた。神奈川新聞では両村長が日々の出来事をつづった「村長日記」が連載された。五輪イヤーの今年、当時の日付に合わせてこの連載を再び掲載します。海外旅行が一般的でなかった時代、世界各国の五輪選手を迎える緊張や戸惑い、喜びなど臨場感あふれる描写から、1964年と違うもの、変わらないものが見えてきます。

 現代の観点では不適切な表現もありますが、1964年当時の表現、表記をそのまま掲載しています。(※)で適宜編注を入れました。

大磯選手村の村長室は、メイン施設の大磯ロングビーチ「オリンピックホテル」に隣接した日本家屋(手前)にあった。同ホテルの完成式で=1964年7月14日、大磯町国府本郷

中学生の絵が親善役

大磯選手村村長・馬飼野正治

 グッドモーニングとやれば、おはようとくる。グッドイブニングとやれば今晩はで、親切にしてやると、ありがとうとくる。これでは全く逆である。この間ソ連の選手に、ウイ・アー・ベリー・ハピー・ツー・ハブ・ユーとやったら、私も大変大変うれしいです、と日本語でやられた。これでは相手が日本語を知らないと思って油断するととんでもないことになるので、めったなことはいえない。

 きょうはベルギー、スペイン、アイルランドが入村し、これで三十七カ国二百七十六人となった。四十六カ国の参加予定中ギアナ、ペルー、ルーマニア、エクアドルが個人エントリーをしていないので四十一カ国三百二十人程度になりそうである。

 今夕ニュージーランドのブラウンさんが村長室を訪れ、展示してある中学生の絵をぜひほしいと要望された。その図画は藤沢市立藤ケ岡中学校の三年生のもので多数の者が体操を行なっているところである。ブラウンさんは国へ土産に持って帰り、家の宝としたいといっていた。

 外国選手に展示してある絵をあげることについては、すでに了解を得ているのでOKをしたら、これをぜひ(※中学生に)届けてほしいと、手紙とニュージーランドの絵本に銀の記念バッジを添えてもってきた。さっそく山口式典主任が学校へ持参した。成績もすばらしい、おとうさんも絵をかかれたそうだが長い病気で寝ていられるとか、非常に喜んでもらえてうれしい。

 このように中学生の絵を通じての善意が、国際親善に大きな役割りをしたことはまことにありがたいことである。

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