◆日本文化継承の使命
ネット通販や100円ショップの台頭で文具店は減少傾向だ。製図器は、IT(情報技術)の発達で需要が少なくなった商品の典型だろう。
昭和の雰囲気が漂う店内には、5万点もの幅広いジャンルの商品が並ぶ。既に製造されなくなった伸縮式の製図器(7128円)も置かれている。
2代目の村田敏行社長(65)は、「利益を考えれば陳列しないけど、それでも買い求めに来てくれる人がいるからね。日本文化を後世に残したい」。
1933年創業の老舗文具店。先代の父が現在の横浜市金沢区で紙店を立ち上げ、44年に伊勢佐木町に移転した。「古き良き文房具を訪ね、最新の文具を知る」。入り口の看板につづった言葉が店の精神そのものだ。
横浜市中区伊勢佐木町5の130。京急線黄金町駅徒歩5分。午前10時半~午後7時。第3木曜定休。電話045(251)7859。