山下公園の海沿いを歩くと、干潮時に赤いレンガを見ることができる。中には壁など構造物の一部とみられる塊もある。
同公園は関東大震災の大量のがれきを埋め立てて造られた震災復興公園だ。地震発生から約1カ月後に、横浜市のがれき処分地の一つとして当時は海岸だったこの場所が選ばれ、2年後の1925年に工事が始まった。近年行われた公園内のボーリング調査でもレンガの破片が出ており、波打ち際に見え隠れするレンガも震災がれきの可能性が高い。
横浜開港資料館主任調査研究員の伊藤泉美さんは散歩中にレンガを見つけた。「波の音、潮の香りに赤レンガ。明治の横浜にタイムスリップした気分になれた」と話している。