1893(明治26)年に創業した岡本造船所(横浜市中区)。ヨットの造船所としては日本最古とされる。石原裕次郎さんが船を建造したことでも知られ、新山下での進水式には、石原慎太郎さんやヨット仲間が列席し、盛大に執り行われたという。
「日本のヨットの歴史に大きく貢献した場所」と話すのは、横浜シティガイド協会の嶋田昌子さん。大学生のころに、同造船所で建造したヨットに乗っていた。横浜港内を白い帆が行き交う光景を、今でも鮮やかに思い出すという。
1977年に造船所の一部をヨットのクラブハウスにし、横浜クルージングクラブ(YCC)を発足。隣接する工場は、今も船を建造する機能を維持し、その歴史をつないでいる。