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空き家活用、集う場に 住民が改装、イベント開催も

横浜みなと新聞 | 神奈川新聞 | 2019年12月18日(水) 12:11

地域住民の居場所としてオープンした「リトルファームHOMMOKUもくり」=横浜市中区
地域住民の居場所としてオープンした「リトルファームHOMMOKUもくり」=横浜市中区

 空き家を活用した、気軽に立ち寄れる居場所「リトルファ-ムHOMMOKUもくり」(横浜市中区)が、オ-プンから1年を迎えた。地域住民らが中心になって住宅や庭に手を入れ、子どもから高齢者まで、多くの人が集まる場として地域に浸透しつつある。

 「もくり」は本牧満坂の静かな住宅街にある。たわわに実った夏ミカンの木と野菜が植えられた畑、住民が手作りした石窯がある庭─。築80年、和洋折衷の住宅では食事会や手作り品の展示会が開かれることも。近くに住む女性(75)は「孫と一緒に来ることもある。こういう場が広がっていけばいい」と笑顔を見せる。


「もくり」でいろりを囲んで話す今関さん(右から2人目)ら=横浜市中区
「もくり」でいろりを囲んで話す今関さん(右から2人目)ら=横浜市中区

 開設は2018年10月。運営委員会代表で「本牧リボンファンストリ-ト商店会」でリサイクルショップを開く今関喜代子さん(62)が、空き家の持ち主から活用を提案されたことがきっかけだ。「この辺りはお店や、ちょっと休める公園もない。地域の人が集まれる場所になればいい」と活動を決めた。

 住宅は3DKの平屋。10年近く空き家だったこともあり、外壁がはがれ、室内に猫が入り込んでいた。その状態から商店会や町内会の関係者、まちづくり支援団体などが協力して住宅を改装。石窯や畑を囲むれんがの塀を作った堀田暁さん(78)は「庭いじりの好きな人、花の好きな人ら、少しずつの協力で成り立っている」と話す。

 イベントを開いたり、レンタルスペ-スとして貸し出したり。この1年で地域住民に身近な存在となったが、同時に課題も浮かび上がった。常駐する“管理人”がおらず、開所が週3日にとどまることだ。


改装前の建物。住む人がなかったため傷んでいた部分も多かった(本牧もくり提供)
改装前の建物。住む人がなかったため傷んでいた部分も多かった(本牧もくり提供)

 今関さんをはじめ運営委員会のメンバ-もそれぞれ仕事などがあり、毎日開けることは難しい。「『来たけど鍵がかかっていた』と聞くと、申し訳ない気持ちになる。続けるうちに、管理人として来てくれる人がいてくれたら」と考えている。

 「もくり」は地元住民の声掛けと、協力で立ち上がった。今関さんは、他の地域でも同様の活動が広がることを期待している。「この活動が『近くにある空き家でもできる』という、サンプルになれば」

 「もくり」の開所は毎週月、火、土曜日の午前11時~午後4時。利用料は大人200円、子ども100円(飲み物付き)。運営のための会員も募集している。問い合わせは、電話045(622)3345。

 
 

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