◆職人の感覚で絶妙に
水で戻した北海道十勝産の小豆をふっくらとゆで上げ、糖蜜につけ込む。徐々に蜜の糖度を上げて数回つけ込み乾かしたあとに、グラニュー糖をまぶす。
甘納豆専門店「米世(よねせ)本店」の主力商品「大納言しぐれ甘なっと」(200グラム600円)は驚くほど軟らかい。しっとりと舌の上でとろけていく。上品な甘さも後を引く。
「蜜の濃度や乾燥時間は季節や気温で調節します。その加減が軟らかさと甘さを決めるので」と社長の米世将益さん(44)が教えてくれた。常時8種類の商品を作るがレシピなどはなく、「職人なのでそこは感覚で」と大きく笑った。
1927(昭和2)年に伊勢佐木町で創業したが、空襲により現在の場所へ。だが甘納豆一筋、の姿勢は変わらない。ショーケースの中で8種の小さな和菓子が宝石のように輝いていた。
横浜市中区曙町3の40。横浜市営地下鉄阪東橋駅徒歩5分。午前9時~午後6時。火曜休み。電話045(251)1306。