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飢餓救う学校給食に注力 横浜のWFP日本事務所20周年

横浜みなと新聞 | 神奈川新聞 | 2016年9月5日(月) 11:38

パレスチナ・ガザ地区で日本からの支援で届いた小麦粉を運ぶスタッフ(WFP/Eyad Al Baba撮影)
パレスチナ・ガザ地区で日本からの支援で届いた小麦粉を運ぶスタッフ(WFP/Eyad Al Baba撮影)

 横浜市西区みなとみらいにある世界食糧計画(WFP)日本事務所が、設立20周年を迎えた。緊急支援、紛争が収束した国への復興・開発支援、乳児や母親への母子栄養支援など、役割は多岐にわたる。日本国内での寄付も多額に上り、代表のスティーブン・アンダーソンさん(52)は「国際感覚のある日本企業や市民らと連携を深めていきたい」と意欲をみせる。

 WFPは、飢餓と貧困の撲滅を使命に活動する国連唯一の食糧支援機関。毎年平均80カ国以上、約8千万人に支援する。日本事務所は1996年8月に開所。寄付の窓口や啓発活動の現場を担う認定NPO法人国連WFP協会と合わせて30人ほどのスタッフが働く。

 飢餓状態にある人は世界で8億人という。WFPが特に力を入れるのが学校給食支援だ。

 子どもの健全な成長を助け、教育と家庭での食糧確保を促進するため、給食や家に持ち帰る食糧を提供する。昨年国内でキャンペーンを打った3カ月間の寄付で、目標を超える1万378人の子どもたちに1年間、学校給食を届けた。

 日本は世界有数の支援国でもある。2015年、国連WFP協会には日本の民間企業・団体と個人から過去最高の12億223万円の寄付があった。日本政府からも1億9700万ドルがWFPに寄せられ、国・地域別の6位だった。

 「日本人は食に関心が高い。さらに国内での発信力を高めていきたい」とアンダーソンさん。

 支援対象は海外だけではない。東日本大震災や熊本地震では被災地に物流拠点を設けた。海外からの支援物資の仕分け、配送も担った。

 啓発活動も重要だ。横浜市内を中心に年間20校ほどの小学校に出向き、世界の飢餓状況やWFPの取り組みを紹介している。同協会職員の桜井裕介さん(36)=横浜市鶴見区=は、「現実を知らなかった子どもたちが、出張授業をきっかけに募金活動に携わるなどアクションを起こしてくれている」と働きがいを口にする。

 給食支援の象徴といえるのが、レッドカップ・キャンペーン。WFPが給食を入れる容器として使う赤いカップ(1個500円)を通じて、特に世界の子どもたちの困窮状況を伝える。今年初めてレッドカップ・カフェを開催して、さらに周知を図ろうとしている。


学校給食支援の輪を広げるため、給食を入れる容器として使う赤いカップも販売する
学校給食支援の輪を広げるため、給食を入れる容器として使う赤いカップも販売する


 このほか、横浜市内の小学生がエコ活動に取り組み、市内企業や団体がWFPの果樹植樹に協賛する「こども『エコ活。』大作戦!」は13年目を迎え、年々規模が拡大。05年から続く、みなとみらい21(MM21)地区周辺で開かれるチャリティーウオーキングも今年5月、過去最高の4658人が参加した。10月には、新規の参加型教材を公開する予定だ。

 日本の寄付の約半分は貧困にあえぐアフリカに、残り半分は自然災害が多いアジアと紛争に苦しむ中東に使われている。今後についてアンダーソンさんは「現地で食糧が安定的に確保できるようになればいい。そのためにも、アフリカなどでの持続的な日本の支援や協力を期待している」と話す。


アンダーソン代表(後列左から4人目)を囲むWFP日本事務所の職員ら=横浜市西区
アンダーソン代表(後列左から4人目)を囲むWFP日本事務所の職員ら=横浜市西区

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