1. ホーム
  2. 連載・企画
  3. 企画
  4. 時代の正体
  5. ツイッター投稿「差別的言動」と判断 川崎市審査会

時代の正体 差別のないまちへ
ツイッター投稿「差別的言動」と判断 川崎市審査会

時代の正体 | 神奈川新聞 | 2020年8月22日(土) 10:40

インターネット上のヘイト投稿について審議した川崎市差別防止対策等審査会=市役所
インターネット上のヘイト投稿について審議した川崎市差別防止対策等審査会=市役所

 川崎市在住の在日コリアンの女性がインターネット上に書き込まれた大量のヘイトスピーチで深刻な人権侵害を受けている問題で、市は21日、有識者でつくる市差別防止対策等審査会を開いた。ツイッターの投稿9件を審議し、不当な差別的言動に当たるとの結論に達した。市は審査会の答申を待ち、ネット上で確認できるツイート2件をプロバイダー企業に削除要請する方針。一方で大量の書き込みに市の判断が追いついておらず、対応の迅速さに課題も露呈した。

 審査会はネット上のヘイトスピーチに拡散防止措置を講じるとする「市差別のない人権尊重のまちづくり条例」に基づく手続きで、非公開で行われた。

 人権侵害の被害を申し立てていたのは在日3世の崔江以子(チェカンイジャ)さん(47)。ヘイトスピーチの被害を訴えたことをきっかけに、ツイッターやブログで「朝鮮に帰れ」「チョーセンはしね」と排斥したり、虫の写真を添えて侮辱したりする個人攻撃を受けており、約300件の書き込みに対する救済措置を求めて5月と6月に市に申告していた。

 21日の審査会では初回の7月に続き、削除要請などが必要と市が判断した9件を審議。委員4人が差別的言動に該当するとの意見で一致したといい、弁護士で審査会の吉戒修一会長は「被害の状況と表現の自由も踏まえて慎重に議論した。不当な差別的言動に当たるかどうか1件ずつ判断した」と振り返った。

 吉戒会長は「結果を踏まえて市には適切な措置を取ってほしい。当事者が個人で法的救済を求めるのは相当な負担があり、公の自治体がアクションを起こすのは大きな効果がある」と期待する一方、約300件のほとんどが市の判断さえ示されないまま積み残しになっていることに「ちゃんと対応できる体制を考えていかないといけない」と課題を口にした。

 また市は、極右政治団体「日本第一党」党員らでつくるヘイト団体「日の丸街宣倶楽部」が7月5日、同12日、8月14日にJR川崎駅前で行った街宣についても報告した。「鬼畜外道な支那人」といった中国人を侮辱する言動などが示され、委員からはヘイトスピーチ解消法が定義する不当な差別的言動に当たるとする意見があったという。

 団体が9月にも街宣を予告していることも踏まえ、吉戒会長は「かなりひどい発言だ。市が適切に対応すると思う」と話し、対応が必要との認識を示した。

審議9件「被害者救済追いつかず」

 「審査されたのがたった9件とは。インターネット上の人権侵害の救済のためには一刻も早く削除しないといけないと、社会的にも認知されるようになったというのに」。崔江以子さんの代理人で約300件の書き込みを申告した師岡康子弁護士は「自死する人も出ているネットの被害について市の認識が甘いと言わざるを得ない」と断じた。

 「毎日書き込みが消えるのを待っている被害者にとってはあまりに残酷」「条例が示す個人の人権被害を市が救済するという規定と運用がかけ離れている」「条例を活用し、差別をなくすために市と歩んでいこうと申請した被害者の思いに市は応えていない」。師岡弁護士が厳しい指摘を並べるのも期待の裏返しだった。

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら

ヘイトスピーチに関するその他のニュース

時代の正体に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

企画に関するその他のニュース

アクセスランキング