1. ホーム
  2. 連載・企画
  3. 企画
  4. 時代の正体
  5. 沖縄考(下) 「私」が政治を変える

時代の正体
沖縄考(下) 「私」が政治を変える

時代の正体 | 神奈川新聞 | 2020年5月17日(日) 09:34

全国で講演を重ね、当事者意識を持った行動を訴える元山さん=川崎市宮前区
全国で講演を重ね、当事者意識を持った行動を訴える元山さん=川崎市宮前区

 吐く息の白さが際立つ。頬を刺す風が痛い。横浜で初雪を観測した2019年12月7日、川崎市宮前区の生涯学習支援施設に厚手のコートやダウンを着込んだ80人ほどの市民が集まった。視線の先には、「『辺野古』県民投票の会」元代表の元山仁士郎さん(28)の姿があった。

 「ハイサイ、グスーヨー、チューウガナビラ(こんにちは、皆さん、ご機嫌いかがですか)」

 ウチナーグチ(沖縄の言葉)でのあいさつ後、かつてこの一帯に広がっていた旧日本軍の軍事施設の存在に触れた。「75年前、宮前区、川崎市にも基地があった。沖縄のことが想像しやすくなるのではないでしょうか」

 沖縄の基地負担軽減が進まないのは、本土の理解が得られないから-。沖縄への基地集中は政治的理由だと、安倍晋三首相自らが公言してはばからない現状を足元から変えたい。19年2月の辺野古新基地建設を巡る県民投票以降、全国を駆け回る講演は66回を数え、集会やイベントでも語り続けてきた。

 自身との対話を重ね、「世代間の対話」と「島々の対話」に傾注し、県民投票を実現させた。「では本土との対話は」。私は取材で会うたびに質問してきたが、その表情は険しさを増している。県民投票から1年となった今年2月24日、那覇市内で開かれた音楽祭で尋ねると、こう語った。

 「日本政府と、それを間接的に支えている本土の人たちが対話を拒否し、基地建設を強行している。本土との対話は現状、成り立っていません」

■■■

 投票率が50%を上回り、「反対」が7割を超えた。元山さんが県民投票の結果を「ウチナーンチュ(沖縄人)の底力を感じた」とかみ締めた投開票日から一転、安倍政権は翌日も辺野古の海に土砂を投入した。

 「賛否を超えて議論し、60万人以上が信念や確信を持って、あるいは迷い、逡巡(しゅんじゅん)しながら自身の1票を投じた。『反対』だけでなく、全ての県民がないがしろにされているに等しく、ウチナーンチュの存在が否定されているようでならない。屈辱です」

 しかし、声高ではない。安全保障関連法に抗議した学生グループ「SEALDs」(シールズ)で活動していたころと変化がある。

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら

時代の正体に関するその他のニュース

時代の正体に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

企画に関するその他のニュース

アクセスランキング