多摩平、村山、豊四季台、左近山(横浜市旭区)、相武台(相模原市南区)…。高度経済成長期の1950年代後半から70年代にかけて建設された大規模団地の幾つかの名前である。さて、こうした団地に共通した性格をご存じだろうか▼日本総合研究所会長の寺島実郎さんによれば、いずれも首都圏を環状に走る国道16号沿いに位置し、住民の高齢化が急速に進行しつつあることらしい。団地はベッドタウンの象徴でもあったろう▼寺島さんは、例えば65歳以上の人が有権者の半数、医療費の約60%を占め、近辺に第1次産業がある地方と都会の違いにみられるような異次元の高齢化の高進を踏まえ、100歳人生に耐え得る知の再武装が求められると説く