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照明灯
見送られた表彰式

照明灯 | 神奈川新聞 | 2020年12月11日(金) 09:00

 「ファンが選んでくれた賞だから…。ハマの空気がどうしても吸いたくなって」。1982年、映画撮影中だった北海道から急きょ表彰式に駆け付けた俳優・故高倉健さんが残した名言は今も語り継がれる

 ▼日本映画の祭典「ヨコハマ映画祭」はファンの手作り。評論家のほか映画が好きな一般の人も選考委員に名を連ねる。スポンサーに頼らず、入場料とパンフレット販売で運営費を賄う

 ▼だからこそ、名優や監督は多忙の合間を縫って表彰式に駆け付ける。北野武監督は「こんなに公平な賞はない」と本質を突き、横浜ゆかりの俳優・故樹木希林さんは受賞トロフィーをランプに改造するほど喜んだ。著名な製作陣と映画への熱い思いを共有できる表彰式は、ファンには至福の時だ

 ▼その表彰式の開催が本年度、42回の歴史の中で初めて見送られた。式と合わせて受賞作品が上映されるのが特色だが、大人数の観客が会場に長時間滞在することによる新型コロナウイルスの感染リスクを考慮したという

 ▼本年度もベストテンと各賞は選考し、作品賞には大林宣彦監督の遺作「海辺の映画館─キネマの玉手箱」が選ばれた。表彰式があれば思い出話に花が咲いただろう。映画愛にあふれたあの空間が再び戻ってくる日を待ちたい。

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