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横浜市の補正予算 不要不急事業も精査を

社説 | 神奈川新聞 | 2020年5月18日(月) 09:40

 新型コロナウイルス感染症対策費を盛り込んだ横浜市の補正予算案が可決された。補正額としては過去最大規模の5743億円超に上る。

 林文子市長は、休業要請に応じた事業者に対する独自の協力金支給に前向きな姿勢を示していたが、最終的に財政難を理由に断念した。事業者に有利な融資メニューを用意することで、事業を継続してもらうとしている。

 しかし、感染拡大は市内経済に深刻な打撃を与えており、とりわけ小規模事業者からは悲鳴にも近い声が上がっている。国の施策が後手後手の今、基礎自治体として、必要な対策を迅速かつ積極的に講じることが求められよう。

 補正予算の内訳は▽感染拡大防止策と医療提供体制の整備145億2700万円▽市民生活の支援3845億5300万円▽企業・事業活動の支援1752億5500万円。

 具体的には、陽性の入院患者を受け入れた医療機関への支援金支給や、休業中の子どもたちの教育環境充実に向けたタブレット端末の前倒し整備、3千万円を上限に3年間無利子・無担保・据え置き5年の融資-などを行う。500万円以下で融資を利用する小規模事業者には、10万円を交付する。

 補正額の見かけの規模は膨れ上がったが、独自策は目立たない。横浜市の場合、国が緊急経済対策として全国民に10万円を支給する「特別定額給付金」だけで約3796億円に上る。もちろんこれは国費だ。

 さらに国からの地方創生臨時交付金や、低利の融資を行うため金融機関に預け入れる預託金などを差し引くと、純粋な市の支出は財政調整基金からの10億円にとどまる。

 市長は、市会臨時会の本会議で「現時点で必要な対策は盛り込めた」と強調したが、たとえば、休業要請に伴い収入が減少したひとり親家庭への支援などは、今回の補正予算には計上されていない。

 感染拡大の影響で、本年度は中止や延期に追い込まれ、予算執行されない事業は少なからずある。今となっては不要不急の事業もあろう。全庁を挙げて再点検し、コロナ対策に予算を振り分けるといったことを早急に進めるべきだ。

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