予想通り、国民が知りたい真相の解明は果たせなかった。
24日に行われた学校法人「加計学園」や防衛省の日報隠蔽(いんぺい)問題を巡る衆院予算委員会の閉会中審査。大半の時間を費やした安倍晋三首相の友人が理事長を務める同学園の獣医学部新設計画に関わる審議では、政府側の答弁、野党側の追及いずれも説得力と決め手に欠き、疑念の解消には至らなかった。学部新設の決定過程で「首相の意向」や「官僚の忖度(そんたく)」が働いたのか不明なままだ。
ただ、加計問題の質疑では、首相や側近の答弁に不自然な点も見受けられた。野党はきょう25日の参院予算委でこうした答弁内容に焦点を絞り、考えをただす必要があろう。
首相は通常国会閉会後、初めて加計問題について国会で釈明。加計側から働き掛けや依頼はなかったと述べ、自身が便宜を図るよう指示したことも「全くない」と否定した。
一方で、計画の把握時期を「今年1月20日の国家戦略特区諮問会議で知った」とした発言は、理事長と頻繁に会っていることを考慮すれば信ぴょう性に疑問符が付こう。