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【社説】強毒ヒアリ 水際対策強め定着防げ

社説 | 神奈川新聞 | 2017年7月14日(金) 11:53

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 南米原産で強い毒性を持つ「ヒアリ」が国内の港湾で相次いで見つかっている。

 中国からのコンテナ貨物に紛れ込んでいたとみられ、神戸港や大阪港、名古屋港のほか、東京湾・大井ふ頭でも見つかった。

 県内の横浜、川崎両港ではまだ発見の報告はないものの、港で降ろされたコンテナが陸送される過程でヒアリも移動し、国内各地で定着する可能性がある。

 強毒による健康被害に加え、諸外国では農畜産物や生態系への影響も深刻とされている。対策が遅れれば駆除に要するコストも膨らんでいく。港湾やその周辺での水際対策により一層手を尽くし、国内へのさらなる侵入と定着を防ぎたい。

 環境省の資料によれば、ヒアリは体長2・5~6ミリの小型のアリで、熱帯原産ながら、米国や中国、台湾といった環太平洋諸国に生息している。直径25~60センチ、高さ15~50センチのドーム状の土のアリ塚を作る特徴があるという。こうしたアリ塚を見つけたら近づかず、すぐに関係の環境事務所に通報したい。

 腹にある毒針で刺されると、やけどのような激痛が生じる。反応は人によって異なり、刺された部位の痛みやかゆみだけで済む人もいれば、「アナフィラキシー」と呼ばれるアレルギー反応で呼吸困難や意識障害に陥り、死に至る例もある。

 容体が急変した場合は、アレルギー反応を疑い、速やかに病院で治療する必要がある。事前対策として、医師と相談し、アレルギー反応を緩和するアドレナリン自己注射キット「エピペン」を用意しておくことも一法だろう。

 貿易立国を旨とする日本は、危険な外来生物の侵入を完璧に防ぐのが難しいかもしれない。ただ、ヒアリが過去に見つかり、生息域を広げたセアカゴケグモやアルゼンチンアリより危険度が高いことを肝に銘じておくべきだ。

 港湾区域は近年、市民の憩いの場になっており、

 
 

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