新春トップインタビュー2023
神奈川県生活協同組合連合会
PR | 神奈川新聞 | 2023年1月1日(日) 00:00
地域社会支える存在に
神奈川県生活協同組合連合会
代表理事会長
當具 伸一 氏
当連合会は県内の会員生協の「共同連帯」の場と位置付けられています。加盟する生協、協同組合団体は合わせて33ありますが、何よりも大事なのは、考え方の違いを認め合い、一致できる課題に向けて共に行動していくことです。
2022年は、他団体とも連携し、核兵器の廃絶の訴え、子どもを飢餓や貧困から守る国連児童基金(ユニセフ)の取り組み、消費者被害の防止などを進めてきました。中でも、生活困窮者へ食品を提供する「フードバンクかながわ」の活動が広がっていることは特徴的だといえます。
フードバンクへ食料がほしいという団体は増え、今や1カ月余りの食糧支援量は設立当初の年間支援量に匹敵するほどです。ロシアのウクライナ侵攻や円安を背景に原材料価格が高騰する中で、経済的貧困と、いわゆる社会的なつながりから排除される社会的孤立という二つの貧困はますます広がっています。
事業と活動の両面を通じ、地域におけるセーフティーネットの一員として役割を果たしていきたいと考えています。
地域社会の主人公は一人一人の住民です。自立した市民が住みやすい地域社会をつくることの大切さから、「協同」という2文字を挙げました。行き過ぎた市場原理主義が今、何でも自己責任という考えを強調し、不寛容さを広げ、助けてとは言いづらい社会を生んでいます。
協同とはイコール助け合いです。誰もが助けてと言える社会こそがSDGsでも掲げられている誰一人取り残さない社会ということなのだと思います。地域社会を支える基盤をつくることが生協に求められている最大の役割だと捉え、活動を進めてまいります。
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