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「サスシー」メニュー? 横浜市立大の食堂に学生の創意

PR | 神奈川新聞 | 2022年5月28日(土) 05:00

 横浜市立大学のSDGsの取り組みが次々と具体化している。金沢八景キャンパス(同市金沢区)では生協食堂(横浜市立大学生協)でのサステナブル・シーフード(持続可能な水産物、サスシー)を使ったメニュー提供が今月9日から始まったほか、食品ロス削減やジェンダー平等など、学内外で多角的に活動を展開中。そこで鍵となるのは「連携」と「継続」。学生、大学の活動に加え、OB・OGと手を携えているのも特徴的だ。現状を知りたいと同キャンパスを訪ねた。(波多野 寿生)

丼は完売「うれしかった」

好評なサスシーのメニューを手にするテフズの井上さん(左)と松下さん=横浜市大金沢八景キャンパス

 「みんなが何を注文したのか気になったけれど、丼は完売と聞いてうれしかった」。サスシー導入を発案、要望した同大公認のSDGs認知度向上に取り組んでいる学生団体「TEHs(テフズ)」のメンバーで、国際教養学部4年の井上明香里さん(21)と松下真菜さん(21)はそう語る。

 テフズは、SDGsの啓発・推進を目指して2020年に設立。現在、約30人が活動している。さまざまな問題解決に向けて、具体的な取り組みやSNSなどを使った啓発活動を展開しており、サスシープロジェクトもその一つだ。

 元々、水産資源や水質汚染の現状などに問題意識を持っていた二人。問題を広く共有したいと思っていたが、サスシーを社員食堂に導入している企業の存在を2年前の講義で知った。

 学食でも導入ができないかメンバーで議論を重ねつつ、相談した学生支援課や生協の全面協力を得て、メニューの検討に着手。内容やボリューム面、料理に合うソース…など細部にもこだわった。

 提供初日、第1弾としてお目見えしたのは「サスシーミックスフライ丼」と「サスシーちくわサラダ」の2品。水産資源や環境、社会などに配慮して適切に管理されている-と認証された魚介類を使用したメニューは食堂利用者の関心も高く、丼は用意した80食を完売、サラダも6割以上を販売した。

学生自治会と大学が協働

キャンパス内では、公益社団法人フードバンクかながわなどから提供されたロス品を無料配布する試みも(横浜市立大学提供)

 こうした学生の活動を後押ししようと、大学側でもさまざまな工夫を凝らす。学内ではテフズのほか、多くの学生団体があり、これらと連携し、活動をバックアップする。

 学生団体の窓口になっている学生支援課では、学内の環境向上を目指して学生自治会の中でプロジェクトを立ち上げ、例えば、学内放置自転車をどうするかなどについて学生と共に解決策を模索。

 ほかにも、食品ロス削減の試みとして、フードバンクかながわから消費期限の近い食品や飲料水を提供してもらい学生に無料配布する-など、多様な課題の解決を目指している。

OB・OGとも連携

 また、企画財務課によると、病院も含めた全職員を対象に、SDGsへの理解を深めながら具体的行動に結びつけてもらおうと研修を実施。一方で、女子学生の心理的・経済的負担軽減を目的に、4月から4キャンパスで独自に生理用品の提供も開始した。学外でも、大学の持つ多様な資源を市民や地域に還元する「エクステンション講座」などを開催している。

 さらに、同大同窓会とも連携し、OB・OGを通じたSDGs推進を図っている。同窓会では昨年、シンポジウムをオンラインで開催。海や食をテーマにした実践活動を紹介したほか、同窓会の活動やネットワークを生かした連携のあり方なども模索した。

 井上さんと松下さんは「(サスシーは)継続性が大切。認知度を上げたいし、後輩たちにも思いを引き継ぎたい」とし、「新メニューの考案など学内の他団体と連携したいし、ノウハウ提供などで他大学にも導入を働きかけたい」と、今後に向けて意欲的だ。

(企画・制作=神奈川新聞社「2030 SDGs」編集室)

 
 

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