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横浜市×株式会社ペガサス「防災・減災啓発事業の推進に関する協定」記念対談
公民連携で広げる「防災への心得」

PR | 神奈川新聞 | 2022年3月11日(金) 12:00

 地震や風水害などによる被害が全国的に相次いでいる昨今、人口377万人を擁する横浜市にとって災害対策の強化は喫緊の課題だ。災害に強い都市の実現に向けて、市民による「自助・共助」を推し進めようと、市と、防災用品の製造販売などを手掛ける株式会社ペガサスが連携し「はまっ子防災プロジェクト」をスタートさせる。中学生が主体的に防災を学ぶ本プロジェクトの話題も交えながら、横浜市の山中竹春市長とペガサスの吉川元宏代表取締役社長が、災害に強い都市を目指した共創による取り組みの意義を語り合った。

=文中敬称略(司会進行:神奈川新聞社取締役 秋山理砂)

備えの意識、定着が課題

山中竹春・横浜市長

 ─近年、全国各地で地震や風水害など、災害が頻発しています。この状況をどのように感じていますか。

 山中 私たちは、常に災害と隣り合わせにいることを忘れてはいけないと思っています。横浜市では、昨年10月、10年ぶりに震度5弱の地震が発生し、タンスの転倒などで負傷された方もいました。地震での被害を減らすには、家具の固定や通電火災を防ぐ感震ブレーカーの設置など、日頃からの備えが大切です。

 また、台風や豪雨への備えとして、あらかじめハザードマップなどでお住まいの地域のリスクを確認し、一人ひとりの避難行動計画「マイ・タイムライン」を作成しておけば、いざという時に逃げ遅れることなく、避難できます。

 災害直後は、どうしても行政の支援はすぐに行き届きません。防災では、公助に加えて、自分自身や家族の命を守る「自助」、隣近所で助け合う「共助」が大変重要です。

吉川元宏・株式会社ペガサス代表取締役社長

 吉川 2019年には台風19号で甚大な被害が出ました。「異常気象」とも呼べる現象が珍しくなくなり、警戒を緩めてはいけない状況が続いています。防災意識を持ち、自らの状況を認識することが基本的な備えになります。まさに「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」です。

 しかし、それを実践するのは簡単ではありません。解決の糸口になり得ると我々が考えるのが、若い世代への啓発です。子どもたちに防災意識を根付かせ、積み重ねていくことで10年、20年先の横浜を災害に強い街にすることができると信じています。

中学生が「自分ごと」に

 ─市とペガサスは連携して「はまっ子防災プロジェクト」を推進しています。その概要や目的、経緯を教えてください。

 吉川 本プロジェクトは中学生が主体的に防災を学ぶ取り組みです。来年度から市立中学校の1年生約2万6千人を対象に、当社作成の教材を市教育委員会を通じて配布します。

 当社は防災用品の製造販売を手掛け、水で光るマグネシウムライト「灯-mawali」を展示会で紹介してきました。子どもが興味を持てるよう、ライトを組み立てるキットも開発しました。

 自分で作ったライトが光った瞬間、子どもは目を輝かせます。「どんな時使う?」と質問すると、「災害の時」「停電した時」と自発的に考え始めるのです。工作を通じ、子どもに防災を伝えるノウハウを蓄積してきました。

はまっ子防災プロジェクトで製作した防災ガイドやマップ

 その実績を携え、20年に公民連携の窓口である市共創推進室の「共創フロント」に市民の防災・減災力の向上を目指す事業を提案しました。若い世代が「自分ごと」として捉えて知識を身に付ければ、防災力アップにつながるはずです。市側も賛同してくれて取り組みが始まりました。

 プロジェクトでは、各学年の学習単元に合わせた副読本の「はまっ子防災ガイド」、市内18区ごとの防災マップなど五つの教材で学びます。学びを通じて防災力の高い市民が増えることを目標にしています。

新たな価値つくる「共創」

 ─本プロジェクトでは、先ほど話に出た市の「共創フロント」が市役所各部署の橋渡し役となっています。共創フロントの意義やこれまでの成果、プロジェクトへ期待することをお聞かせください。

 山中 多様化・複雑化する地域課題を解決し、市民の皆さまのニーズにお応えしていくためには、民間事業者の皆さまの力も必要です。そのため、市は、「共創フロント」を設け、Win-Winの関係を構築しながら、新たな価値を創造する公民連携、「共創」による取り組みを進めています。事業者の皆さまにとっても、共創は、CSRの側面だけでなく、新たなビジネスチャンスにもつながります。

 08年の開設以来、これまでに1030件の提案をいただき、そのうち457件の連携事業が実現しています。提案に応じて組織横断的に対応していて、今回のプロジェクトも危機管理室や消防局、教育委員会などが一体となって取り組んでいます。

 中学生が防災について分かりやすく学べるように、プロジェクトで新たに作成した教材「はまっ子防災ガイド」は、学校の学習内容に沿って構成しています。1年生で「地震」、2年生で「風水害」、3年生で「避難所で中学生ができること」を学びます。

 自分たちの住む地域で学ぶ中学生だからこそ、災害時に自ら考え行動する「自助」に加えて、地域の方々と一緒に「共助」を担う一員としても、活躍してもらえるのではないかと思っています。

 また、教材の作成に協力している学校の先生方からは、避難訓練の事前学習や振り返りの教材としても効果的では、との声が上がっています。実践的な教材として、学校でぜひ活用してもらいたいですね。

災害に強い都市に向けて

 ─最後に、「災害に強い都市」の実現に向けた抱負と、市民へのメッセージをお願いします。

 山中 あらゆる災害から市民の皆さまの命と暮らしを守ること、それが基礎自治体である横浜市の重要な使命です。災害に強い安全・安心な都市づくりに向けて、引き続きハード・ソフト両面の対策を進めていきます。
 災害は、いつ起こるかわかりません。ご自分や大切な人を守るためにも、市民の皆さまには、いざという時に身を守る行動が取れるよう、日頃からの備えをお願いします。

 吉川 政令市で最大の人口を抱える横浜市の防災は喫緊の課題です。「横浜型」の対策を構築できれば、全国のモデルケースになれると思っています。
 市民の皆さまには、3日分の備蓄など、できることから実践してもらいたいです。いざという時、それが災害当日だけでなく数年後の復興にまで良い影響を及ぼすと思います。当社として、そういった啓発のお手伝いができればうれしいです。

はまっ子防災プロジェクト 横浜市と株式会社ペガサスが連携し、市内の中学生が身近な課題として防災を学ぶための教育プロジェクト。市内で起こり得る災害に特化し、中学生の目線で被害の怖さを伝えるため、五つのアイテム(アニメ、マップ、ガイドブック、マグネシウムライト、防災ボックス)を制作。来年度から1年生に配布し、授業で活用してもらう。

横浜市の共創 共創推進室では、民間、行政内部から相談・提案を受け、マッチングやコーディネート、リサーチやコンサルティングを行う「公民連携のハブ」の役割を担う。既存の手法にとらわれず、民間と行政の対話を通じ、イノベーションを生み出し新しい価値を共に創ることが目的。その一環として、民間事業者の皆さまから公民連携に関する相談・提案をいただく窓口として、「共創フロント」を開設した。

(企画・制作=神奈川新聞社デジタルビジネス局)
※撮影時以外はマスクを着用しています

 
 

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