1. ホーム
  2. PR
  3. 環境先進都市 川崎の誇り

環境先進都市 川崎の誇り

PR | 神奈川新聞 | 2021年1月5日(火) 00:00

政令市一人1日ごみ排出量 2年連続最少

 2020年3月に発表された、環境省の一般廃棄物の排出および処理状況のまとめ(2018年度)によると、ごみの減量や再利用などに取り組む全国の政令指定都市のなかで、川崎市が一人1日あたりの排出量が最も少ない816グラムとなった。17年度も834グラムで「最少」だったため、さらに減量化を進めた形が2年連続の栄誉につながった。1990年に焼却場の処理能力が逼迫(ひっぱく)する排出量で「ごみ非常事態宣言」まで出された状況を境に、今や環境先進都市となるまで歩みを進めてきた市の取り組みや今後の展開について、関係者に話を聞いた。

産官民 普及啓発の成果

【政令市ベスト5】
2018年度(平均944グラム)
1位 川崎市816グラム 2位 横浜市831グラム 3位京都市838グラム 4位広島市850グラム 5位相模原市865グラム
2017年度(同953グラム)
1位 川崎市834グラム 2位 京都市843グラム 3位横浜市846グラム 4位広島市848グラム 5位相模原市870グラム
(環境省資料による)

 市民1日あたりのごみ排出量は、直近の資料として発表された18年度が816グラム。政令市平均の944グラムを大きく引き離し、17年度の同834グラムをさらに減量させた川崎市。市環境局の武藤良博生活環境部長は「市民や事業者に協力をいただき、ごみの適正排出や3R(減量・再利用・再資源化)の普及啓発に力を入れてきた成果」と強調する。
 
 京浜工業地帯の一角を担い、戦後の高度成長期を支えてきた同市だが、80年代の人口増加や好景気のひずみは、ごみの急増として顕著になった。現在と算出方法が異なり単純に比較はできないが、90年の1人あたりの排出量は1356グラム。焼却場の処理能力を超え、埋め立て地の不足が懸念されるほどの危機感が、同年の宣言に込められていた。
 
 市は減量とリサイクルを地域で先導する役割として、94年に廃棄物減量指導員制度を導入し、2006年からは市内の小学4年生を対象に体験型講座「出前ごみスクール」を開催してきた。ごみ排出量の減量に向けた数々の啓発活動や意識高揚に地道に時間をかけて取り組んでいった。かつては「公害の街」とも呼ばれ、市民が環境問題に関心を持った背景も後押しした。市民団体が組織され、行政とともに啓発活動に取り組み、事業者も適正な排出をさらに進め、それらが徐々に結実していった。
 
 15年には4カ所で稼働していた焼却場が3カ所で賄える、3処理センター体制へと移行することができた。CO2の排出抑制とともに今後40年間で約720億円の削減が見込める財政効果も市民の関心を引き寄せた。施設の更新とともに時代に合わせた技術革新を進め、処理能力の向上などにも期待できるという。

 ごみ処理の課程では一昨年、焼却場で発電した電力を充電して、その電池を動力としたエネルギー循環型ごみ収集車を日本で初めて導入する展開も見せた。
 
 市民と行政がごみの減量に心血を注いでも、コロナ禍での外出自粛、在宅勤務、食事のテークアウトなどでごみ量はさらに増加しかねない。市は「生活様式の変化でごみ処理にも影響が出ているが、引き続きごみの減量化・資源化の推進に向けて取り組む」と気を引き締めている。

減量指導員や出前ごみスクール

市民の意識高める役割

収集車などの説明をする出前ごみスクール(左)と、ごみ分別を指導する市廃棄物減量指導員連絡協議会の吉田会長

 市民に「3R」の意識を浸透させる、廃棄物減量指導員と出前ごみスクール。地域住民との距離が近いだけに、その役割は貴重だ。

 減量指導員は町内会や自治会などの住民組織団体から推薦され、2年任期で委嘱される。20年4月現在で1631人が委嘱され、各ごみ集積所の美化や分別収集を促進させている。
 
 94年の発足当初から携わり、現在は市の廃棄物減量指導員連絡協議会長を務める吉田知敬さんは「協議会の会合を開くのに、指導員が熱心に集まり、収容する会場探しに苦労するほど。質問を閉ざすことなく丁寧に答え、さらに活性化させたい」と、住民の意識の高まりを肌で感じている。

 日々更新される、リサイクルや環境技術の最新情報を学ぼうと、各区の協議会や町内会単位でも近隣のリサイクル工場などに足を運ぶ。「きれいな環境で誇れる川崎になるよう、その手伝いがしたい」と熱がこもる。

 出前ごみスクールは、市内全小学校の4年生を対象に、分別方法やその効果、収集作業など、体験授業を通じて児童に啓発している。例えば、ビンは中身が口にできない物は再利用もできない、と分別のポイントを分かりやすく説明すると、児童が関心を示すという。分別を体験型のゲームにし、収集車の内部を可視化して仕組みや収集作業を体験するなど、生活環境事業所の職員が創意工夫した内容構成となっており、児童は五感を通じて学びを深めることができる。
 
 授業内容を家族に伝えることで、各家庭へのさらなる浸透も図られる。市の担当者は「今はスマホなどで3Rを簡単に調べられる時代。その関心への入り口になれば」と話していた。

水素活用 エネルギーを地産地消

脱炭素の推進役に

パイプラインから水素が燃料電池(右下)に運ばれる宿泊施設=同市川崎区

 環境に配慮した先進的な取り組みを続けてきた川崎市では、現在進行形で新たな取り組みの数々が展開されている。その一つが使用済みプラスチックから水素を製造し、ホテルに供給してエネルギーとして使用する「水素ホテル」だ。使用済みプラスチックに由来する、低炭素水素を活用したホテルは世界初の取り組みであり、18年の開業以来、多くのメディアで取り上げられるなど注目度は非常に高い。
 
 このプロジェクトは、川崎臨海部に立地する昭和電工や川崎キングスカイフロント東急REIホテルなどと川崎市の連携により進められており、環境省の「地域連携・低炭素水素技術実証事業」の1つとして採択を受けて実施している。
 
 具体的には、市域や周辺地域の家庭から自治体が回収したプラスチック製包装容器などから、昭和電工川崎事業所にてケミカルリサイクルという手法で水素を製造し、川崎キングスカイフロント内の東急REIホテルまでパイプラインで水素を輸送し、大型純水素燃料電池(FC)に供給して、電気や熱エネルギー(温水)として利用しており、施設内の全エネルギーのうち約30%を賄っているほか、昨年11月には小型植物工場を設置、FCのエネルギーを利用してリーフレタスを栽培する取り組みも開始している。
 
 また、この取り組みとは別に、日本マクドナルドの市内8店舗から排出されるストローなどを収集、昭和電工で水素を製造し、電気に変換してデリバリー用EVバイクに利用する実証も先月実施された。
 
 水素は使用時に二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーとして、脱炭素化に向けた切り札として注目されている。このほかにも臨海部を中心に企業との連携による取り組みが進んでおり、先端技術を活用した新たな展開が期待される。

環境施策 先導の歴史

福田市長”カーボンゼロ"へ決意

川崎市・福田市長

 ごみ減量推進の栄誉については、廃棄物減量指導員の方々をはじめ、市民・事業者が一致結束して取り組んだ成果です。人口が増え続けているにもかかわらず、排出量が年々減少していることは、まちの品格の表れだと思います。
 
 環境局が出前授業のような形で推進してきた小学生対象の環境学習がありますが、そこで「3R」を学んだ子どもたちが大人になり、地域の環境に意識を向ける、というサイクルで市民の意識が自然と育まれている背景もあります。
 
 市はこれまで、1951年に導入したバキュームカーから、昨年のEVごみ収集車に至るまで、数々の日本初となる事業を行ってきました。常に環境行政を先導してきた歴史であり、一つのシビックプライドだと思います。
 
 今後目指すのは「脱炭素」です。昨年11月には、2050年の脱炭素社会の実現に向けた具体的な取り組みを、脱炭素戦略「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」として策定・公表しました。産業構造の特徴から、政令指定都市の中で最もCO2を排出している都市でもあるため、ごみ削減と同様に脱炭素を推進させる決意を示したものです。
 
 さらには使用時にCO2を排出しない究極のクリーンエネルギー・水素を臨海部などで既に利活用し、産業から市民向けに利用の幅も広げています。今年の東京五輪・パラリンピックを機に「水素のまち」を世界へアピールしていきます。
 
 時代に先駆け、新技術導入に挑みながら、これからも環境先進都市であり続けます。電力の自給自足や燃料電池など、さまざまな環境技術を有する企業が市内に集積する強みを生かし、産官民が一層の連携を図って取り組んでまいります。

(提供:川崎市)

PRに関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング