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コロナ時代の挑戦シリーズ第3回 しまむら
食と交流 消費者に提供

PR | 神奈川新聞 | 2020年11月30日(月) 00:00

[PR]横浜銀行

高齢化が進む団地に週2回食材や雑貨を届ける移動販売車「とくし丸」=平塚市横内

 コロナ禍は高齢化世帯や周囲の支援が必要な、いわゆる「買い物難民」の生活にも直撃する。感染や発症を恐れて身を潜める世帯に、平塚市内などで展開するスーパー「しまむら」の代表取締役・島村雅之社長と社員らが救いの手を差し伸べている。展開する移動販売車や宅配事業などきめ細やかなサービスを提供し、地域密着の根を深く張り巡らせ、消費者も揺るぎない安心感と信頼を寄せる。

総菜や生鮮食品など約1200点を搭載し、各店舗から出発するとくし丸=平塚市長持

生活支える移動販売車

-とくし丸(移動販売車)が機動的に活躍したようですね。
 4台目を導入したことし4月前後がまさにコロナ禍でした。売り上げが徐々に右肩上がりになり、ピーク時には4割増に。外に出られない消費者の需要を実感し、ことしはそれが一層顕著になりました。

 もっと深く地域に入っていく必要性を感じています。店舗から遠い地域を対象に、ローラー作戦のように地図を広げ一件ずつ調べていきました。新興住宅地の若い世帯の中にぽつんと独居の高齢者世帯があり、「娘が週に1回来て買い物してくれる」程度の方もいました。こんなに困っている方がいるのかと再認識しています。

 これから高齢化が進み、運転免許の返納など買い物が不便になる方はまだ増えていく予兆もあります。この地域では我々が最初に取り組んでおり、強みにもなっています。インターネットを使った宅配便、お買い物のお届けサービスもすでに取り組んでいました。宅配サービスの件数は最大で2~3割伸びました。

地域に根差した販売網展開を語る同社の島村雅之代表取締役社長=平塚市長持

旅行気分提供する企画

-駅弁などを販売して〝お出掛け気分〟を意識したようですね。
 お客さまは外に出られない、旅行ができない分、駅弁などでそういう気分を味わってほしい、と企画しました。定期的に北海道や九州、地元平塚の企画展などを開催し、非常に動きがよかったです。微力ですが経済停滞のなかで販売のお手伝いができました。震災など何かあったときもそうですが、小回りが効くのは我々の強みではあるかなと思います。近所の隠れた名店に焦点を当てられることも、競合店との差別化につながっているかもしれません。

店舗にある商品ならば客が直接依頼し、担当者が次回までに用意することも。そんな温度感のある会話と交流が販売車の回りにあふれている=平塚市横内

人と人の関わり大切に

-今後見据える展開を聞かせてください。
 移動販売車の担当者から、1年間で買い物客が8人亡くなったと聞き、高齢化社会の進展を肌で感じます。1日の中で最も会話するのがとくし丸の担当者という利用者もいます。コミュニケーションを楽しんでもらい、商品ではなく「あなたが薦めてくれるから」と購入されるお客さまが多いとの評価も聞きました。人と人のつながりが大型店舗よりも顕著で、お客さまから信頼を得ている、と売り上げの変化からも感じています。

 我々は遠くからお客さまを呼ぶようなお店ではありません。多様なサービスに対応しながら、地域の方に満足をしてもらえる。新鮮でおいしい魚や肉などを選び集め、地元の方の商品などを探して地域の中で根ざしていく、そういう商売をしていきたいですね。

浜銀総合研究所の視点
 同社の経営理念には、顧客の信頼、地域への貢献が掲げられています。理念に基づき2018年に導入した移動販売車はコロナ禍という逆境をチャンスに変えました。目先の利益のためにチャンスは掴みに行くものではなく、透徹とした経営姿勢の先にチャンスは訪れるものであることを示唆する事例とみることができます。
(経営コンサルティング部主任コンサルタント 太田和正)

DATA
本社・平塚市長持508、同市内を中心に県内で食品スーパー11店舗を展開。1950年(昭和25)年創業、67年(有)島村ストアーを設立。88年に(株)しまむらに組織変更。年商110億円、従業員約1千人(パートタイマー含む)。05年からネット宅配便を開始。18年4月に小型移動販売車「とくし丸」1号車を導入、ことし7月には5号車まで拡大した。軽トラックタイプの1台に約400種類、計1200点の食材や雑貨を搭載・販売する。市とは見守り協定も結び、食と安全の「ライフライン」役も担う。

神奈川県内で新たな挑戦を行う人や企業を紹介していきます。
横浜銀行は地域の皆さんの活動を応援しています。

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