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次代へ躍動する神奈川歯科大学
新たな口腔医療の実現へ

PR | 神奈川新聞 | 2021年8月20日(金) 00:00

 神奈川歯科大学(KDU、横須賀市小川町)が2020年に創立110年を迎えた。1910年、東京女子歯科医学校として設立以来、「歯科医師としての熟練と人間としての優しさを身につけるために、学をまなび、技を習い、人を識る愛の教育」の理念の下、多くの歯科人材を育成してきた。KDUの目指す未来志向の医療、コロナ禍への対応、地域と大学の関係などを、鹿島勇理事長と黒岩祐治知事に話し合っていただいた。=文中敬称略=

司会: 神奈川新聞社横須賀支社長 多田正基

附属病院の診療室
学校法人神奈川歯科大学 鹿島勇理事長

かしま・いさむ:1979年神奈川歯科大学大学院卒業、カリフォルニア大学留学。82年米国顎顔面放射線専門医取得。90年より神奈川歯科大学放射線教室教授、2009年学校法人神奈川歯科大学理事長に就任。横須賀芸術劇場理事、横須賀ジャズ協会会長も務める。

神奈川県 黒岩祐治知事

くろいわ ゆうじ 1980年株式会社フジテレビジョン入社。報道記者、番組ディレクター、キャスターを務めた。第16回放送文化基金賞などを受賞。フジテレビジョン退社後、国際医療福祉大学大学院教授を経て2011年4月神奈川県知事に当選。19年4月に3期目就任。

大きな時代の流れの中で

 ―KDUが掲げる「東京未来化構想」。具体的な内容、目的をお聞かせください。

 鹿島 「東京未来化構想」は、横須賀・横浜・東京を結ぶ口腔医療のイノベーション(新機軸)の実現です。横須賀の本学、附属病院、横浜駅西口の横浜クリニックに加え、2019年に東京歯科衛生専門学校(TDH、東京都北区)を経営統合。昨年から今年にかけて、羽田空港(第1・第3ターミナル)にサテライトクリニックを開設しました。次の目標は、東京の玄関口品川に医科・歯科連携の認知症センターを開設することです。

 認知症の発症にはオーラルフレイル(かむ力、飲み込む力の低下)や歯周病など、口腔内環境が大きく関わっています。このセンターの実現で、認知症の診断・治療・予防(西洋・東洋医学)と口腔医療を組み合わせた新しいコンセプトの医療機関が誕生することになります。

 「東京未来化構想」の中心的なプロジェクトの一つに、「東京サイバーサテライトクリニック」があります。これは、ソーシャル化・デジタル化・グローバル化という大きな時代の流れの中で、サイバー、つまり情報空間を通して全国のみなさんに先進口腔医療を提供しようというものです。

 将来的には、これらの取り組みで培った医療システムをASEAN(東南アジア諸国連合)諸国へと広げていくことが目標です。この10年間、KDUではアジアからの留学生を積極的に受け入れてきました。すでに83人の卒業生がいますが、アジア進出の中核は彼らが担うことになるでしょう。

 黒岩 とても先進的な取り組みですね。新しいテクノロジーを取り入れた幅広く、グローバルな展開で、大きな、そして新しい時代の動きを実感します。

 歯科大学は、主に歯科医を養成する学校ですが、理事長のお話を伺うと、「まちの歯医者さん」のイメージとは相当違ってきています。時代の流れを捉え、守るべきものは大切にしながら、新しい社会のニーズに対して専門性をどのように発揮していくのか。理事長のお話は、その課題に応えるものだと感じました。

歯科医療用ロボットスーツ
対談は感染症対策を施した上で行われ、口腔医療の未来について熱い意見が交された

歯科医療の新たな視点

 ―KDUへの期待とは、具体的にはどのようなものですか。

 黒岩 私は知事就任以来、一貫して「未病(ME-BYO)」をテーマに掲げてきました。その中で、歯科医療の在り方はとても大きな意味を持つと考えています。

 心身の状態は健康と病気に明確に分かれるのではなく、健康と病気の間のグラデーションを常に変化するもの。それを「未病」といいます。少しでも健康な状態に近づけようとするのが「未病改善」で、「食」「運動」「社会参加」の三つが取り組みの柱です。「食」に関しては、「どんなものを食べるのか」に加え、「食べる力」つまり口腔機能が重要です。

 先ほど理事長がおっしゃったオーラルフレイル、口腔機能の低下は、「未病改善」に影響します。歯科医療の新たな視点としてクローズアップされていますが、その点におけるKDUの取り組みに期待しています。

附属病院全景(左)と、第1回北区景観賞を受賞した東京歯科衛生専門学校(TDH)の外観
KDU外観

 鹿島 オーラルフレイルがあると誤嚥性肺炎などさまざまな病気を誘発します。 特に認知症と関係が深いといわれ、それが口腔と認知症を組み合わせた初めての医療コンセプトを立ち上げた理由です。

 ―KDUは産官学のコラボレーションにも積極的ですね。

 鹿島 産学あるいは産官学とのコラボレーションは、常にユニークなイノベーションへと発展する可能性を秘めています。

 本学でも、世界に誇れるVR(Virtual Reality=仮想現実)とAR(Augmented Reality=拡張現実)の技術を生かし、災害時における避難アプリの開発とカスタマイズに取り組んでいます。その技術を基に今年の3月、災害からの「逃げ遅れゼロ」を進める横浜市などと協定を結ぶなど、産官学が提携したさまざまなプロジェクトを進めています。

ポストコロナに向けて

 ―コロナ禍の今、どのような取り組みをされていますか。

 黒岩 神奈川の場合、始まりは「ダイヤモンドプリンセス号」でした。未知のウイルスに対して、「これは災害だ」と認定して、災害派遣医療チームの出動を要請しました。

 その経験が医療提供体制「神奈川モデル」につながりました。軽症、無症状の方は病院ではなく自宅または宿泊療養施設へ、という流れをつくり、国にも提案し取り入れられました。これまで「ヘルスケア・ニューフロンティア」政策でさまざまなヘルスケアの分野で最先端のテクノロジーや人材の育成などに取り組んできましたが、その蓄積も役立ったと感じています。

 鹿島 病院やクリニックの患者さま全員の検温はもちろん、まずは発熱外来をつくり、スタッフや先生方にも感染防止を徹底してもらいました。結果的に感染者は出ませんでしたが、患者が減り大幅な減収は避けられませんでした。緊急支援金を支払うなど、教職員のモチベーション維持にも努めました。

 オンライン講義も始めましたが、学生間の意識の差を埋めるため、対面講義とのハイブリッドを取り入れるなど、未経験の状況を乗り越えるためのさまざまな工夫をしています。その中でコロナ以降を考えたとき、医療や教育の新たなシステムの必要性など、さまざまな課題も見えてきていると思います。

 ―今、コロナ以降というお話が出ました。

 黒岩 例えばオンライン診療が進みましたし、テレワークなど働き方改革も浸透すると思います。 そして、コロナ禍を経て、自分の健康は自分で守る、「自分ごと化」がますます重要になりました。

 県ではその実践に向けて、自分が未病のグラデーションのどこにいるのか見える化し、行動変容につなげるため「未病指標」を作りました。 「自分ごと化」は、コロナ後の暮らしにも生かすべき、とても大切なことです。

いのち輝く豊かな社会へ

 ―KDUは最先端の歯科医療を実践する一方、地域に密着した取り組みを進められています。

 鹿島 まずは地域の皆さんに大学を認知し、信頼していただき、利用していただくことが本学発展にとって不可欠です。

 本学のキャンパスには南洋桜(ジャカランダ)の巨木が3本あります。毎年、瑠璃色の花が咲く時期に市民の方々を迎え「ジャカランダフェスティバル」を開催しています。今や1万人以上の方々が訪れ、地域における本学の認知度アップに大きく貢献しています。

 また、附属病院1階のスペースを障害者の方々に働く場として無償で提供しています。「ジャカランダカフェ」として多くの来院者に利用されていますが、多くの人が豊かに暮らすための、真の社会貢献として取り組んでいます。

 ―知事は豊かな暮らしをどのように考えていますか。

 黒岩 県政は何を目指すのか。それは一人一人が「いのち輝く」ことではないでしょうか。これは世界に通用するメッセージです。

 シニア対象の劇団などでエンターテインメントと未病改善の融合にも取り組んでいますが、参加者はとてもいきいきとしています。100歳になっても、いきいきと活動し、いのちが輝いている、それこそが真の豊かな社会といえます。

 そのためには、環境・エネルギー、産業・経済、教育、まちづくり、そして医療、全てが輝く必要があります。それぞれの分野がクロスし、融合し合いながら専門性を発揮する。これからの時代、求められるのはそういう感性を持った人材です。

 ―最後に県民へのメッセージをお願いします。

 鹿島 口腔環境は寿命と直結しています。歯の治療をすることは全身の治療をすることと一緒、歯は一つの臓器という感覚を多くの方に持っていただきたいですね。

 黒岩 今、コロナ収束に向けワクチン接種に全力を挙げています。苦しい経験を通して身にしみて知ったいのちや健康の大切さ。それを共有し合い、しっかりと見つめていける社会を、皆さんと一緒につくっていきたいと思っています。


神奈川歯科大学の歩み

開学当時のキャンパスの航空写真

1909(明治42)年 東京女子歯科医学講習所が東京神田に開所
1910(明治43)年 東京女子歯科医学校として設立
1952(昭和27)年 日本女子衛生短期大学開学
1963(昭和38)年 所在地を東京より横須賀へ移転
1964(昭和39)年 短期大学と並んで神奈川歯科大学開学
1975(昭和50)年 歯科大学に大学院歯学研究科を開設
1980(昭和55)年 歯科大学附属歯科技工専門学校を開校
1989(平成元)年 短期大学名を湘南短期大学と改称
2002(平成14)年 横浜クリニック・横浜研修センター開設
2013(平成25)年 湘南短期大学を神奈川歯科大学短期大学部へ名称変更
2019(平成31)年 東京歯科衛生専門学校の事業を継承する
2020(令和2)年 羽田空港第3ターミナル歯科開設
2021(令和3)年 羽田空港第1ターミナル歯科開設

羽田空港ターミナル歯科

羽田空港第3ターミナル歯科

 日本空港ビルデング株式会社と提携し羽田空港第3ターミナル(2020年5月開設)と第1ターミナル(2021年4月開設)に開設された羽田空港ターミナル歯科。日本の空の玄関口である羽田空港の公共性を高め、旅客・空港従業員のニーズにも応え、利便性の向上を目指す。

KDUの象徴ジャカランダ

ジャカランダフェスティバル

 神奈川歯科大学の認知を目的に2013年以来毎年開催される。花と音楽の祭典として人気を集め、1万人を集めるイベントに成長した。例年ジャカランダの開花時期に合わせ、6月に開催されるが、今年はコロナ禍で中止となった。

ジャカランダカフェ

 2018年11月に、神奈川歯科大学附属病院1階イベントスペースにオープンした。障がい者の支援事業として取り組まれ、病院を訪れる人の憩いのスペースとして定着しつつある。将来は、児童福祉施設退所者をカフェの管理者として雇用し、大学進学への道を提供することも検討されている。


未病改善の取り組み 神奈川県

:毎日の食生活を見直して、健康的な食生活に改善すること。オーラルフレイル対策も重要です。
運動:日常生活に運動を取り入れることや、質のよい睡眠も重要です。
社会参加:ボランティアや趣味の活動などでいろいろな方と交流すること。

健口(けんこう)体操のすすめ
口腔機能の維持・向上には、意識をはっきりさせ、顔の表情も豊かにする顔面体操、舌の動きを滑らかにする舌体操、唾液の分泌を促す唾液腺マッサージなどを組み合わせた「健口体操」も効果的です。 健口体操の詳細はこちら

(企画・制作:神奈川新聞社)
(提供:神奈川歯科大学)

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