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JR御殿場線山北駅が無人化へ、地域衰退に危機感/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2012年2月8日(水) 12:29

無人化されるJR山北駅。町の中心駅であり、町民生活や観光の拠点として利用されている=山北町山北
無人化されるJR山北駅。町の中心駅であり、町民生活や観光の拠点として利用されている=山北町山北

JR御殿場線の山北駅が3月17日のダイヤ改正で無人化されることが分かった。乗降客数の減少を理由にJR東海が判断した。同線では同時に、東海道線からの直通列車や、小田急線経由・新宿直通の特急の一部も廃止される。明治以来の「鉄道の町」として知られる山北町をはじめ沿線自治体は、地域の衰退につながりかねないと危機感を募らせている。

JR東海によると、山北駅の2010年度の乗車人員は、1日平均740人。1989年度には1138人あり、約20年間で400人近く減ったことになる。同社は「利用状況や収入などを勘案した」と説明。同駅では現在、駅員の配置は午前7時20分から午後8時までの間に限られ、あとは無人になっている。

山北町の湯川裕司町長は「生活面、観光面など、町にとって山北駅の存在は大きい。沿線の各市町とともに、JRに対し再考を呼び掛けている」と話す。広い駅構内が終日無人になることの安全性や、観光客に対するサービス低下など、影響が懸念されている。

人口が減少傾向にある同町は、町外からの定住者を呼び込もうと駅周辺の再開発を進めているさなか。「住民転入や企業誘致にとって魅力の低下になる。過疎化に拍車が掛かることも考えられる」(町定住対策室)との声も上がる。

同時に廃止される直通列車は、東京駅を午後5時41分に発車、山北駅に同7時半に着く普通列車。JR東日本は「直通するお客さまが減った」、JR東海は「利用実態を勘案した」と理由を説明する。ダイヤ改正後には東海道線に接続する列車を新設し、乗り換えの便宜を図るという。

一方、神奈川、静岡両県の沿線15市町でつくる「輸送力増強促進連盟」の一員である山北町や松田町は「通勤客への影響が大きい。JRから事前に説明がなかった」と口をそろえる。

また、新宿―沼津間を小田急線経由で結び、県内は本厚木、松田の両駅に停車する特急「あさぎり」は、4往復あるうち1往復が臨時列車に変更となり、平日は運転されなくなる。

県内の無人駅は御殿場線の上大井駅や東海道線の根府川駅などがある。鶴見線はほとんどが無人。ダイヤ改正では、山北町に隣接する静岡県小山町の駿河小山駅も無人化される。

■解説

少子高齢化と車社会化を背景に、ローカル線の経営は厳しさを増している。経費節減のため、列車のワンマン化や駅の無人化が全国で進んでおり、生活路線を維持するためにはやむを得ない方法といえる。

とはいえ、無人駅は寒々しく街全体の雰囲気を左右しかねない。経済的な数値に直結しにくい駅の「ぬくもり」をいかに維持すべきか、利用者側も主体的に考える時期に来ている。

鉄道の活性化の担い手はJRだけではない。ボランティアの案内係を駅に置いたり、郵便局や売店などの公共施設を駅に入居させたりと、人を集めるための前例はたくさんある。

御殿場線の魅力は、もっとPRされるべきだ。同線には100年以上の鉄道施設が点在し、路線自体が「近代化遺産」といえる。静岡県の天竜浜名湖鉄道では古い駅舎や鉄橋が観光地になっているし、熊本、宮崎、鹿児島県を結ぶJR肥薩線では、鉄道施設を世界遺産にしようと地元が動きだしてさえいる。

一方で、鉄道が衰退した街の中には、目も当てられないほど寂れた場所がある。利用者や地元自治体も、明暗ともに他地域から学ぶべきことは多い

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