日本の近代化を支えた横須賀製鉄所(造船所)の技術者の功績や、製鉄所内に設置された国内最高水準の理工系学校「黌舎(こうしゃ)」の教育内容をテーマにした企画展「横須賀製鉄所の同窓生」が、横須賀市自然・人文博物館(同市深田台)で開かれている。6月4日まで。
黌舎の授業で使われた演習図面や教科書、「浦賀ドック」の通称で親しまれている住友重機械工業旧浦賀工場(同市浦賀)の建造に携わった製鉄所ゆかりの技術者の経歴を紹介したパネルなど約100点が並ぶ。
黌舎出身で、フランス留学中に造船学のほか、料理研究をしていた東京帝国大学教授の櫻井省三氏が提案したフランス料理のフルコースを再現した食品サンプルも展示。卒業生の幅広い活躍がうかがえる。
同博物館は「日本が近代化に成功したのは、実践的な教育を受けた技術者たちの力があったから。その存在の大きさを感じてもらえれば」と話している。
問い合わせは、同博物館電話046(824)3688。