新型インフルエンザの発生に備え、川崎市は10日、中学校を想定した集団予防接種のシミュレーションを初めて行った。市職員が中学生役を務め、接種までの流れや時間、人員配置などを検証した。
新型インフルエンザが発生、まん延した場合、国の特別措置法に基づき、全市民を対象にしたワクチン接種が行われる。学校も会場になることが想定されるが、現在は学校での集団接種を実施していないため、課題を検証した。
学校を想定したシミュレーションは全国的にも珍しく、内閣官房や厚生労働省の対策室も共催した。
川崎区役所を会場に、市や市教委の職員、医師、保健師ら約60人が参加。1学年の生徒150人を想定し、生徒役は教室で説明を受けた後、保健室に移動して医師から予診と模擬接種を受けた。
「注射への不安が強い」「接種後に倒れる」「保護者の署名がない」など、現場で起こりうる問題を各生徒役が演じ、職員や医師らが対応を考えた。問診票や医療器具なども実物を使用し、所要時間を計った。
市保健所感染症対策課は「検証結果を踏まえ、各トラブルの対応法や人員配置を事前に決めていきたい」と話した。