秦野市生まれの前田夕暮没後60年に際し、秦野市平沢の市図書館では特別展「雑誌『日光』の歌人たち―夕暮と超空を中心に」が開かれている。大正末から昭和初めに夕暮や北原白秋らが参加した雑誌などが展示されている。来年2月29日まで。
特別展で展示されている雑誌「日光」は1924年に創刊されたが、38巻を刊行しわずか3年で姿を消した。同雑誌には夕暮のほか釋超空、北原白秋、土岐善麿など当時の中堅歌人、小説家の島崎藤村、志賀直哉らも参加していた。
雑誌はB5判で、同図書館は36巻を所蔵している。創刊号には北原白秋、武者小路実篤、志賀直哉など作家や画家など30人が寄稿しているほか、夕暮、北原白秋などは毎号寄稿していることが分かる。しかし、紙質が劣化しているため同図書館での公開はされていない。
特別展では、雑誌のほか、夕暮や北原白秋、折口信夫、川田順などの歌集も展示されている。また、12月11日午後2時から、市文化会館小ホールで、岡野弘彦・国学院大学名誉教授による「前田夕暮と釋超空(折口信夫)―雑誌『日光』の歌人たち」と題する特別講演が行われる。入場無料。
◆前田 夕暮(1883~1951) 現在の秦野市南矢名の農家の長男として生まれる。没するまで3万首の短歌を残す。
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