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教員の過労死認定審査、「公務外」決定に妻意見陳述「夫の死、何のため」/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2011年11月15日(火) 12:43

2007年にくも膜下出血で亡くなった横浜市立中学の教員工藤義男さん=当時(40)=の過労死認定をめぐり、妻・祥子さん(44)=東京都町田市=が14日、地方公務員災害補償基金(地公災)県支部審査会で口頭意見陳述した。祥子さんは地公災県支部による「公務外」の決定に対し、不服申し立てによる審査請求中。心身ともに健康だった夫を弱らせた激務を「通常の範囲内」とした同支部に対し、「夫の2度目の死亡宣告を受けた思い」と訴えた。

頼まれると断れない。やり始めたら半端にはできない。熱血先生だった。だからこそその双肩には、次々重責が積まれていった。

市立霧が丘中での05年からの2年間は、激務として市教育委員会が授業時間の削減を求める「生徒指導専任」に加え、学年主任まで兼務していた。07年に転任したあざみ野中でも、市教委も「ごく少数」と認める転任直後の生徒指導専任を任じられた。元アメフット選手の大食漢が2カ月で7キロも痩せ、くも膜下出血で倒れ、亡くなった。

公務災害の申請をしたが、2年後に届いた決定は「公務外」だった。地公災県支部は過重性も異常な時間外労働も、何一つ認めなかった。「夫は何のために生き、何のために死んだのか」。がくぜんとした。

この日。祥子さんは「命を落とすほどの教育制度、命を落としても切り捨てる地公災のあり方を世に知らしめたのが、夫の最期の授業だったのでしょうか」と訴えた。当時の同僚や校長も意見を述べ、審査会側からは何点か質問があった。

代理人弁護士によると、教員の労働は勤務時間だけでは測れないという。タイムカードはなく、定型外の仕事は各自のやる気と裁量次第だからだ。「生徒指導では時間外の呼び出しも多い。熱心な教師ほど私的な時間を削っている」と祥子さん。工藤さんは手のかかる生徒にも正面から向き合い、種々の問題を粘り腰と誠意で乗り越えていた。

葬儀では大勢の生徒が、同僚が、保護者が泣いていた。金髪の子も、いわゆる「ぐれた」子も多かった。参列者は延べ3千人を超えた。別れを惜しむ寄せ書きが何枚も届いた。労災認定を求める意見署名は、すでに3千を超えている。

祥子さんは言う。「教員の労災認定に時間外労働の具体的な証拠や成果物が必要なのなら、これが夫が命を懸けて働いた成果」。審査会の決定はいつ下されるか公示されず、議論の経過や争点も明かされない。

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