津波が来た際の避難を体験するイベントが3日、鎌倉市内で行われた。参加者にはスムーズな移動が難しい条件が課され、対応に苦慮しながらも避難場所の鶴岡八幡宮を目指した。IT企業などでつくる「カマコンバレー」のメンバーが主催する防災イベントの一環。
大地震が発生し、津波警報が発令されたと想定。市内外から参加した約20人が海岸から1・5キロメートルほど離れたカフェを出発し、14分以内の避難を目指した。
それぞれに「目や耳が不自由」「担架で人を運ぶ」などの条件が指定され、視界が狭くなる眼鏡をかけたり毛布で即席の担架を作って子どもを運んだりして、想定外の事態に対応する難しさを体感していた。
子どもをおぶって避難した長谷川佑樹さん(22)は「しんどかった。地元に住んでいるが、自宅近くの津波避難場所をしっかり確認しようと思う」と汗をぬぐった。企画者代表の脇田洋平さん(30)は「いろいろなシチュエーションでの避難を考える機会になった」と話した。