1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. JFE下請け期間工復職で訴訟和解、原告側は大企業責任を追及/地裁川崎支部

JFE下請け期間工復職で訴訟和解、原告側は大企業責任を追及/地裁川崎支部

社会 | 神奈川新聞 | 2011年11月1日(火) 23:45

雇い止めにあった期間工の職場復帰を大企業側が認める画期的な和解が1日、横浜地裁川崎支部で成立した。訴訟で原告側が第一に追及したのが、直接の雇用関係にないJFEスチールの責任。現在のような製造業の雇用環境を生み出した原因は、下請け企業ではなく大企業にあるとし、問題解決の当事者となるよう求めるためだった。原告側は“全面勝訴和解”と評価し、全国の同種の訴訟への波及効果も期待した。

「生殺与奪の権限は下請け企業ではなく大企業にある。直接の雇用関係だけを見ていては対応を誤る」。今回の訴訟で原告を支援した神奈川県労働組合総連合(神奈川労連)の水谷正人議長は、ポイントをそう説明した。

神奈川労連によると、期間工の雇い止めや派遣切りに関する訴訟はこれまでに全国で計約70件に上る。現在も約50件が係争中だ。過去の判決や和解をみると、「良くても金銭解決」が現状で、労働者側の求める解雇撤回の例は皆無という。

水谷議長と訴訟に携わる県内の弁護士らは提訴前、苦戦する要因を分析。過去の訴訟では、労働者が直接所属する下請け企業や人材派遣会社を第一に訴え、背後にいる大企業には、「せいぜい道義的責任として慰謝料を求める程度だった」ことに気付いた。

「木を見て森を見ずだった」と水谷議長。JFEをはじめ、日産自動車、いすゞ自動車、資生堂をそれぞれ相手取った県内絡みの4訴訟はすべて、ピラミッドの頂点に位置する大企業の責任を一番に追及する戦術を採用することにした。

今回の和解で、原告の4人は下請け企業「共和物産」の期間工として復帰する。だが、共和に仕事を発注するJFEの了解なくしては実質的に難しい決断で、原告の穂積匡史弁護士は「JFEの良識ある判断」と評価する。また、JFEが事実上の慰謝料に等しい解決金の支払いに応じたことも、「共和との連帯責任を認めたと、われわれは受け止めている」と指摘した。

水谷議長は「本質的な問題の解決能力は大企業にしかなく、それを示せた点が今回の意義」と強調。日産、いすゞ、資生堂の3訴訟に携わる藤田温久弁護士は「当然、他の訴訟にも影響してくる。世の大企業もJFEの姿勢を見習ってほしい」と“呼び掛け”た。

原告団長の渡辺伸久さんは「他の訴訟の労働者にも勇気を与えられた和解内容だと思う。川崎からまずは県内、そして全国へ、全面勝利の報告を発信していきたい」と話した。

【】

資生堂に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング