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柿がつくった飛び地、川崎市麻生区の岡上地区/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2011年10月31日(月) 11:49

のどかな田園風景が広がり“川崎の原風景”ともいわれる岡上地区=川崎市麻生区
のどかな田園風景が広がり“川崎の原風景”ともいわれる岡上地区=川崎市麻生区

南北に細長く広がる形状から“うなぎの寝床”にも例えられる川崎市。この北西部に位置する麻生区の岡上地区は、四方を東京都町田市と横浜市青葉区に囲まれた飛び地になっている。飛び地に至った経緯や住民生活の一端を紹介する。

小田急線鶴川駅から10分ほど住宅街を歩くと、水田や畑など、のどかな田園風景が広がる。人口は6689人(9月末現在)。面積1・45平方キロの約半分は農業振興地域だ。行政区分上、地続きの麻生区(上麻生6丁目)とは、約300メートル離れている。

岡上町内会などが発行した記念誌に飛び地になった経緯が記されている。同誌によると、明治期の市制・町村制施行後、当時の岡上村は周辺の都筑郡にも多摩郡にも属さず、単独で運営を続けていた。険しい山道といった地理的な理由などから隣接する郡との交流は少なく、特産物である禅寺丸柿の出荷の効率性などから平たん地で行き来できる現麻生区域の柿生村とのつながりを深めていたようだ。

岡上地区が川崎市に合併されたのは1939(昭和14)年。横浜市との合併の可能性もあったが、以前からの柿生村との結びつきや、工都・川崎の発展の魅力などが理由だったと記載されている。

「子どものころはよく鶴川村(現町田市)の子どもたちとけんかをしたもの。川崎市に編入した時は鼻高々だったのを覚えている」と語るのは元柿生禅寺丸柿保存会会長の宮野薫さん(81)。

飛び地という性質もあって生活面で他地域と異なる点も。岡上地区には市立岡上小学校があるものの中学校はない。柿生中学校が校区で、同地区の生徒の多くは小田急線を使って電車通学している。3月の東日本大震災による計画停電では、麻生区では岡上地区のみが停電の対象区域になった。町田市域から送電を受けているためだ。

防犯活動では、麻生署と警視庁町田署が合同パトロールを行うなど、連携が進められている。災害時の避難所は岡上小学校が指定されており、「救急・消防車の到着時間も含め問題はない」(麻生消防署)という。

岡上地区に30年近く暮らしている主婦柳橋典子さん(49)は「市バスの敬老パスを使う機会が少ないことや計画停電は、『どうしてここだけ』という思いはある。でも暮らしやすい土地柄で、飛び地の分、地域のつながりも深いと思う」と話す。宮野さんは「昭和30年代から住宅分譲が進み、以前と比べると農地が減ったが、駅に近いこの田園風景をいつまでも残したいね」と“郷土愛”をしみじみと語っていた。

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