
患者数が増加する前立腺がんへの対応強化を狙い、川崎市立の川崎病院(川崎区)と井田病院(中原区)に内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」が導入された。市内では3例目で、すでに稼働している。
ダ・ヴィンチは欧米を中心に広がり、日本でも2012年に保険診療として認可され、急速に普及している。
高画質の3D画像を元にロボットアームを遠隔操作することで、人の手よりもさらに繊細で正確な手術が可能になり、手術箇所の周辺神経などを損傷する可能性も低減する。出血量を抑えられることから患者の負担も軽減され、早期退院にもつながるという。
前立腺がんは、骨盤内という狭い空間の中でがんの摘出と、尿や男性機能の保全を両立させなければならないという点で難易度が高く、繊細な手術が不可欠だった。
井田病院の千葉喜美男・泌尿器科部長は「ダ・ヴィンチは前立腺がん手術に最適な環境をもたらしてくれる」と歓迎し、川崎病院の原智・同部長も「この導入により、より繊細で負担の少ない治療が提供できるようになる」と話した。