横浜市消防局に勤めていた男性消防士が勤務中に死亡したのは過重業務によるものとして、男性の妻が地方共同法人「地方公務員災害補償基金」に対し、公務外の災害と認定した処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、横浜地裁(深見敏正裁判長)は13日、「公務と男性の死亡には因果関係がある」として、処分の取り消しを命じた。
2005年10月、男性=当時(44)=は勤務中に持病の気管支ぜんそくの発作を起こし、神奈川消防署片倉出張所で死亡した。男性の妻は06年3月、処分行政庁である同法人横浜支部に公務災害認定請求を行ったが、同支部は「自然経過的に発病した」などとして公務外の災害と認定した。
深見裁判長は、判決で「休暇の取得や治療を受けられず職務に従事しなければならないこと自体が危険であり、公務と死亡との間に因果関係がある」と認定。その上で「男性は、ぜんそくの症状が出た時点で医師の診察を受けていれば死亡は避けられたが、公務を続けることを余儀なくされた」とした。
同法人横浜支部は「判決文を見ていないので、コメントを差し控えたい」としている。
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