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「心の宅急便」ヒロコ・ムトーさんが半生つづり著書、自分らしさ探して/横浜

社会 | 神奈川新聞 | 2011年10月10日(月) 21:56

自著「一度しかない人生だから」を手にするヒロコ・ムトーさん=横浜市港北区の自宅
自著「一度しかない人生だから」を手にするヒロコ・ムトーさん=横浜市港北区の自宅

いじめ克服を呼び掛ける「心の宅急便」という朗読活動で、県のボランタリー活動奨励賞を受賞したヒロコ・ムトーさん(66)=横浜市港北区在住=が、半生をつづった著書「一度しかない人生だから」(海竜社)を出版した。いじめに苦しんだ2人の娘、壮絶な闘病の末に先立った夫、70歳すぎから絵画や人形展を成功させた母。家族や友人にぶつかり、支えられながら「自分のあり方」を模索してきた経験を通し、「一歩踏み出せば、思ってもない人生が開ける」と話す。

60代からの時間を「人生の午後」「おまけの人生」と表す。子育てが一通り終わり、人や仕事への執着が薄れ、身軽になっていく段階だからこそ面白いことが起きる、いや起こせるはずだと。単純な楽観論にも聞こえるその言葉が、読了すれば作者がつづる過去が語らせたものだと分かる。

女性の30代後半を「人生で一番迷う時期」と言う。「誰々の妻、誰々の母と言われるうち、自分が誰なのかが分からなくなる」。自身がそうだった。2人の娘がいじめに遭った。親族に不幸が続いた。うっ屈した思いが夫への離婚通告という形になった。10年以上を、仮面夫婦で過ごした。

夫が50代半ばでがんになった。「私が精神的に追い込んだせいだ」。ガツンと殴られた気がした。「固く閉じた心が木っ端みじんになった」。全身全霊で看護した。治療は成功した。

がんが再発し、夫が亡くなるまでの11年は至福の時だった。娘は無事に自立し、「友達」になってくれた。70歳すぎから絵画や豆人形に挑戦し、海外での展示会まで成功させた母からは勇気をもらった。夫と、互いを心から思い合えた。

命の火を燃え尽くすように晩年を生きた母、家族と友人を大事にし、病と勇敢に闘った夫。2人は大きな「宿題」を残した。自分を知り、「らしく」あり続けること。63歳にして娘の経験などを通じ、学校などでいじめ克服を訴える講演「心の宅急便」を始めたのは、一つの答えだった。

「人は変われる。60代以上だけでなく30、40代の人にも読んでほしい」。諦めたり、悲観したり、迷ったり。一歩が出ない人に伝えたい。「今日はあなたの残りの人生の、最初の日」

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