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〈時代の正体〉育鵬社教科書「憲法の意義学べず」 藤沢で高橋哲哉教授が講演

社会 | 神奈川新聞 | 2017年3月6日(月) 12:42

育鵬社教科書の問題点について考えるために開かれた集い=藤沢市の藤沢商工会館ミナパーク
育鵬社教科書の問題点について考えるために開かれた集い=藤沢市の藤沢商工会館ミナパーク

【時代の正体取材班=成田 洋樹】横浜市や藤沢市の市立中学校で使われ、保守色の強い育鵬社歴史・公民教科書の問題点について考える集いが4日、藤沢市内で開かれた。高橋哲哉東大大学院教授(哲学)が主に公民教科書について講演し、「日本国憲法の3大原則である国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の積極的な意義を十分に学べない教科書」と批判した。

 市民団体「神奈川の教科書・採択問題にとりくむ会」の主催で、教諭や市民ら約150人が参加した。

 高橋教授は教科としての公民について「主権者教育の中核となる教科で極めて重要」と位置づけた上で、育鵬社版の教科書による憲法の3大原則を巡る記述が、安倍晋三政権の国家像や改憲志向と歩調が合ったものとの見方を示した。

 具体的には国民主権の項目に関して「象徴天皇の説明や写真が多く、強調している」と指摘。自民党が2012年にまとめた改憲草案の前文で「日本は天皇を戴(いただ)く国家」と明記されており、「天皇重視の考え方が共通している」と説明した。

 基本的人権の記述については「人権保障よりも制限や国民の義務の記述が多い」と批判。憲法9条に象徴される平和主義を巡っても「防衛の説明が圧倒的に多い」とした上で、「『国民に国防の義務がない徹底した平和主義は世界的には異例』との記述からは、兵役義務がないのは異常という印象を与えようとしている」と問題視した。

 安倍政権下の14年に改定された学習指導要領の解説書には、島根県・竹島は「韓国が不法占拠」、沖縄県・尖閣諸島には「領土問題が存在しない」との政府見解が盛り込まれた。


講演する高橋哲哉東大大学院教授
講演する高橋哲哉東大大学院教授

 その影響で領土問題を記述する教科書が他社版にも広がっており、高橋教授は「尖閣諸島や竹島は戦前日本が海外進出する過程で領土として宣言した経緯があり、過去の歴史の清算を考えることこそ重要」と強調した。

 また、道徳の教科化による教科書採択が小学校は17年夏、中学校は18年夏に行われる。

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