1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 夫婦合わせて194歳、長寿の秘訣聞く/相模原

夫婦合わせて194歳、長寿の秘訣聞く/相模原

社会 | 神奈川新聞 | 2011年9月18日(日) 09:49

結婚74年。「何で仲がいいのか分からん」と笑う渡邊嘉二さんとユキさん=相模原市南区東林間
結婚74年。「何で仲がいいのか分からん」と笑う渡邊嘉二さんとユキさん=相模原市南区東林間

夫婦で合わせて194歳。相模原市南区東林間の渡邊嘉二さんは100歳、ユキさんは94歳になったいまも、子どもたちの世話にもならず、自宅で暮らす。「敬老の日」を前に、長寿の秘訣(ひけつ)を知りたくて2人を訪ねた。

厳格なる「明治の男」はまじめな顔をして言うのだった。

「長生きしたいと思うようになったのは最近です。去年11月に100歳のお祝いをしてもらい、親からもらったたった一つの命、大事にしないといけない、と」

眼鏡も補聴器も入れ歯もなく、多弁ではないが味わい深い語り口。70歳で受けた肺腫瘍の手術から30年、この間に2度も脳梗塞で倒れたとは思えない血色の良さだ。

傍らに座ったユキさんが穏やかな笑みを浮かべていた。「私も1度脳梗塞をしていましてね」

午前中は水彩画の絵筆を握り、午後は庭に出て植木を整える。嘉二さんの日課だ。「暑いから頑張り過ぎないように私が注意すると、うるさいと言い返しながら、言われた通りにしている」。ユキさんがまた笑った。ともに足腰は弱ったが、週3回やってくるヘルパーには掃除を頼んでいるだけだという。

若いころはよく働き、よく飲み、よく遊んだという嘉二さん。倒産寸前の会社に請われ、再建にあたるのが仕事だった。次男の憲男さん(64)によると、日付が変わる前に帰ってきたためしがなかったという。「それもいつもベロベロで」

家のことはほったらかし。請われるままに兵庫県明石市に単身赴任したのは40年前。娘の結婚、息子の大学進学と家族の節目に父はおらず、ユキさん一人で相模原に土地を買い、家を建てたのだという。

「自分のお金は二の次の人。だから暮らしはずっと苦しくて」。ユキさんがこぼすと、嘉二さんは「金に縛られていたら、こうして好きなことをする老後もなかったかもしれん」。それにはユキさんも大きくうなずいた。

「絵はいい。思い出になるし、何より金がかからん」。性格は正反対で、やはり絵は苦手というユキさんを置いてスケッチに出掛ける嘉二さんだが、気ままな日々を送れるのも、夫婦そろって健康でいるから。「料理だって自分でやって、食べさせる。得意料理は卵焼きだ」。平成を生きる明治の男は、面と向かって感謝を口にせずとも、厨房(ちゅうぼう)には立つのだ。

栃木の農村で見合い結婚をして74年。庭に出て並んだ2人にカメラを向ける。ユキさん、ほほ笑みながらさりげなく一言。「我慢の一生ね」。目は合わさなかったが、嘉二さん、小さくうなずいた。「次の目標は2人で200歳? あっと言う間だ」。平然と言った。

【】

長寿に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング