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小田原・不適切表現ジャンパー問題で有識者らが検討会 しおりも“優しくない”

社会 | 神奈川新聞 | 2017年3月5日(日) 02:00

 生活保護業務を担当する小田原市の職員が「保護なめんな」など不適切な表現をプリントしたジャンパーを着用していた問題で、有識者らによる検討会が4日、開かれた。生活保護制度を説明する市のしおりに対し、専門家が生活困窮者に“優しくない”記述を次々と列挙。「表現が厳しく、分かりにくいため、困窮者が受給を諦めてしまう」との指摘に、市は見直す考えを示した。

 しおりの内容で特に指摘が集中したのは、「生活保護よりも民法上の扶養義務(特に親子・兄弟間)の方が優先されますので(以下略)」との記述。

 ケースワーカー歴23年で釧路社会的企業創造協議会副代表の櫛部武俊氏は、生活保護と扶養義務の関係性について「扶養義務が前にくる(=優先される)という意味ではない」と指摘。座長で慶大経済学部教授の井手英策氏も「(親や兄弟から)扶養されることを期待されてはいるが、(この記述だと)ニュアンスがだいぶ違う」とし、「ニュアンスの違いを職員が理解しているかも重要だ」と述べた。

 保護対象者を説明する「病気などのやむを得ない理由で収入を得ることができなくなった方」との記述には、ケースワーカーとして14年の実績を持つ弁護士の森川清氏が「働けない人でないと(保護を)受けられない印象を与える」と指摘。資産の項目にある「原則的に自家用車の運転はできません」との記述にも、櫛部氏が「稼働や障害の場合は認められる」、森川氏が「自動車を持っているだけで、『受けられない』と諦めてしまう」と、例外も記載する必要性を説いた。

 「自分が知る限り、今まで見た中で一番(困窮者に)厳しく、分かりづらい」。元生活保護利用者の女性の言葉はより辛辣(しんらつ)だった。「『こうしたら打ち切っちゃうよ』というトーンが強く、『もう大丈夫。小田原市のケースワーカーが応援しますよ』というメッセージはどこからも伝わってこない」と述べ、「困ってたどり着いて、これを渡されたら、『もういいや』という気持ちになってしまう」と危惧。しおりを使って説明する職員についても「『保護行政とはこういうものなんだ』と新人がインプットするなら、それは市民に相当厳しい行政スタイルになっている」と懸念した。

 相次ぐ指摘に、出席した市福祉健康部の杉山博之副部長は「もう少し客観的に見直した方が良いと思った」と述べた。

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