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崩落危機の城ケ島・奇岩「馬の背洞門」補強へ、景観保全措置は異例/三浦

社会 | 神奈川新聞 | 2011年9月6日(火) 12:20

崩落の恐れが指摘されている奇岩「馬の背洞門」。市などは看板を設置して注意を促しているものの、アーチ部分で記念撮影する観光客も=三浦市三崎町城ケ島
崩落の恐れが指摘されている奇岩「馬の背洞門」。市などは看板を設置して注意を促しているものの、アーチ部分で記念撮影する観光客も=三浦市三崎町城ケ島

三浦半島最南端の城ケ島(三浦市)南岸にあり、観光客に人気が高い奇岩「馬の背洞門」が、2012年度にも補強される見通しになった。海水などによる浸食の影響で崩落の恐れが高まっているためだ。市が事業主体となり、国、県の補助金を活用する。周辺は海岸法で定める「海岸保全区域」ではなく、景観の保全措置が講じられるのは極めて異例だ。

馬の背洞門は「県内屈指の景勝」とされ、古くから多くの文人らがその姿に魅了された。その一人、大町桂月(1869~1925)は「左は房州、右は伊豆、前には雲の峰聳(そび)ゆ、その雲の峰少し薄らぎて中より大島あらわる、馬の背はやがて馬の首となり、長厳海に突出す」と描写した。

市によると、馬の背洞門は高さ約8メートル、横約6メートル、厚さ約2メートル。海に突き出た三浦半島のシンボル的な存在で、地元住民は「めぐりの洞門」や「眼鏡の洞門」とも呼ぶという。

長い年月をかけて自然がつくり上げた造形美だが、海水や風雨による浸食は現在も進行。しかも、もろい火山性の凝灰岩でできているため、風化が著しい。市の調査ではアーチ中央部分と付け根部分に1カ所ずつ亀裂が見つかっている。

「崩れるのを黙って見ているわけにはいかない」。市の呼び掛けをきっかけに、県、地元自治会、商工団体なども立ち上がり、島全体の観光振興策を話し合う検討委員会が発足。昨年9月から、保全方法や工法の研究などを進めてきた。

保全は市全体の観光振興を目指してきた地元にとって長年の悲願。これまで放置されてきた背景には、逼迫(ひっぱく)する市の財政事情に加え、周辺が海岸法で定める海岸保全区域の対象外で、県にも保全するための法的な枠組みがないからだ。

そうしたハードルを越えるため、馬の背洞門を「観光資源」と位置付け、市が国の社会資本整備総合交付金を活用して整備に乗り出す。海岸保全区域以外での工事は「県内で前例はない」(横須賀三浦地域県政総合センター)という。

事業費は約1200万円。うち、半額を国の交付金で賄う方針だが、残り半額の負担割合をどうするかが悩みの種。初のケースだけに県と市の間で調整が続いている。

補強工事は崩落の恐れが出ているアーチ部分を中心に実施。本来の景観を損なわないよう特殊な薬剤を吹き付け、亀裂部分を固めたり、海水が染み込まないようにしたりして浸食の進行や崩落を防ぐ。

具体的な工事日程は未定だが、梅雨や台風のシーズンを避けて行う必要があるため、着工は来秋以降になる見通し。これに先がけ、県横須賀土木事務所が同じ工法を用いた試験施工を近く実施する。

◆海岸保全区域 津波や高潮、波浪などの海水による浸食や地盤の変動による被害から海岸を防護する対策が必要と認められた一定の区域。

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