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地面に落ちても「訓練中」、幼い野鳥の誤認保護が県内年100羽超/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2011年8月21日(日) 10:34

巣立って間もない野鳥を人が誤って“さらう”事例が、相次いでいる。飛ぶ練習中に地面に降りたメジロやスズメ、ヒヨドリの子どもを、けがや迷子と勘違いしてしまうのだ。こうした「誤認保護」は県内で年100羽を超える。専門家は「身近な鳥の生態をよく学び、共存できるように」と呼び掛けている。

「チィーチィー」。まだ産毛がふわふわしている子メジロが、澄んだ声で餌を欲しがる。ここは川崎市中原区にある野生動物ボランティアセンター。傷ついた鳥獣を手当てし、自然に返す活動に取り組んでいる。このメジロは7月22日、街路樹の植え込みにうずくまっているのを通行人に拾われ、持ち込まれた。ただし、けがはしていない。

「メジロは飛べないうちから巣立ちをするんです」。同センター所長の獣医師、皆川康雄さん(44)=野生動物救護獣医師協会(WRV)神奈川支部事務局長=が解説する。人間には「地面に落ちて困っている」と見えても、実は「飛行訓練中」。近くで親鳥が見守っていることも多い。

同センターが年間に保護する鳥類約150羽のうち、誤認保護は15%ほどを占め、子育て期の5~7月に集中する。「結果として、親鳥から引き離してしまっているんです」と皆川さん。保護された鳥には餌の採り方を教え、成長を待って野に放すという。

県内の他地域でも、こうしたケースはかなりの数に上っている。厚木市の県自然環境保全センターによると、同センターと横浜市内の3動物園が確認した鳥類の誤認保護は2009年度、100羽だった。これは鳥類全体(1222羽)の約8%で、やはりメジロやヒヨドリが多い。

誤認を防ぐには―。「多くの人が野鳥に関心を持ち、知ることが欠かせない」(皆川さん)。未熟な状態で巣立ちをする野鳥の生態を理解することだ。その一環でWRV神奈川支部は毎年、子どもたちを対象にした救護体験会を開催している。今年も7月下旬から今月上旬にかけて、30人の小中高生が参加した。

獣医師になる夢があるという同市の中学2年、稲垣直子さん(14)は「誤認保護のことは初めて聞いて驚いた。もっと勉強したい」と、小さな命の重みを実感した様子だった。

◆野鳥のけが

野生動物ボランティアセンターによると、誤認保護のほかに、建物の窓ガラスや自動車に激突したり、釣り人が捨てた糸に絡まったりするケースも後を絶たない。ツバメやハト、シジュウカラなど街なかに暮らす小鳥がしばしば被害に遭う。

県自然環境保全センターによると、鳥類や哺乳類などを合わせた県内の野生動物の保護件数は、全国で2万件前後あるうち1割以上を占め、最多。

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